トップ > コラム&ノート > 少林寺拳法基礎事項@ 何故一度目に払うのか?

少林寺拳法の基礎事項@

  少林寺拳法の練習で柔法を行なうとき、守者は一度目は必ず払えと教わります。なぜ払うのでしょうか? 練習とはいえわざわざ捕らせたいくせに、なぜ一度目から捕らせていかないのでしょう。若い人達から、なぜ捕られたら「抜く・捕る」のか、殴った方が早いという話も聞きますが、それでもやっぱり少林寺拳法では払います。
  一度目に払う。何気なくしているこの動作は実はとても大切な意味があるのです。

  当たり前のようにしている「一度目は払う」ですが、これ実は武道界ではかなり珍しいことのようです。少林寺拳法以外ではまず見られないとのこと。では何故これをするのか。

  例えとして、不幸にも街中で危ない目にあった時を想定してみましょう。
  相手が胸倉を掴もうと腕を伸ばしてきたとき、私達拳士ならまずは腕を払うでしょう。これに対し、相手の腕が伸びた事に合わせて捕ってしまったり、掴みに来た腕を払って打ってしまうのが他武道の一般的な対処法です。しかし、私達はこの時点で捕らないし、また捕ってはいけません。もちろん先に打ってしまっては「もうダメぽ」です。正しい対処の仕方は、まずは捕まれないよう避ける、払うことです。そして間合いをおきます。合わせて大きな声で「止めて下さい!!」と言いましょう。周りにしっかり聞こえるように!実は内心捕ってみたいと思っていても数回はこのアクションをするべきです。
  もしこれを怠ると、その場の「喧嘩」では勝てるかもしれませんが後々「法律」で負けてしまうのです。訴えられたらまず負けます。元々自分が悪くなくても負けます。ショボーン 一回目から捕る・打つで対処してしまうと、「戦う気があった」と見なされてしまうので、「正当防衛だった。先に向こうが手を出してきたんだ(;´Д`) 」なんて言い訳は通じないのです。ましてや武道経験者の段持ちともなると最悪の待遇です(w 下手すると喧嘩にも負けて、法律でも負けるかも?
  だから一度目は払って、大きな声で「止めろ!! 触んなプリーズ」と数回言わなければなりません。周囲の人に「私は闘う意思は無い」ということを知らせる、分からせておく必要があるのです。必要ならば後で証言してもらわなければならないからです。また法律でいう「警告」に相当するアクションも必要なのです。たとえ闘う気があってもこれらをすることをお勧めします。そういう手順を踏んで、「仕方な〜く、仕方な〜く、我が身を守らんが為に闘うしかなかったんだ〜」的な雰囲気を全力で発しながら、対処してください。そうすればよっぽど酷い事をしない限りは「法律」でも負けません。
  このような一連の他正しい対処を取るためには、常に冷静(平常心)でなければなりません。つまるところ日頃の修行は平常心を保つためのものと言っても良いかも知れません。
  少林寺拳法は現代、序でに言うならば法治国家に生きる者の為の武道です。単なる格闘の場のみで収まる勝負術ではないのです。他武道で一度目から捕る・打返す等で対処してしまうのは、歴史的な経緯があるからでしょう。そういった技術が創始・確立された時代は、勝負と言えばまさしく真剣勝負、殺し合いも含まれたまさにリアル殺伐としたものであったことは容易に想像がつきます。しかし現代はやれ決闘だ、やれ喧嘩は華だとか言われていた時代では無いのです。→もちっと詳しく

  だてに「少林寺拳法の技は相手の皮膚を破ったり、骨を折るといったことは一切なく、まったく傷はつきません」とは言っとりません。一度目に払う。このいつも私達が当然のようにやっている珍しい動作は、少林寺拳法が守主攻従であるだけなく、現代の武道であるという事実を表す少林寺拳法の基本事項なのです。
  だからこの動作は非常に大切なものなのです。抜きや捕るなんて必要ない、殴ればいいやんと思っていた拳士はご注意ください♪ う〜ん、少林寺てよく出来てますな〜。「一度目は払った方がいい」、もしかしてこれは諸先輩方が法律に揉まれる中リアルに会得・追加されてきた事だったのかもしれませんね。(^_^;



(615期生 2003/02/13)

「何故一度目は払うのか」にちょっとobjection
法的には確かに、なんだけど練習でも何で払うか考えよう。逆小手が分かりやすいかな?
   攻者:払われたことで捕ってやろうと思う。
      最初に払われたことでそこに相手の手があると思う。
   守者:2度目の捕まれるとき、出したところと捕られる所を同じにしない。
制空域の外に手を出し、制空域で捕らせる。握られたときに相手は不安定、自分は安定となること。
と教わったし、教えてるよ。ちょっとはしょった説明だったが分かるかな?

私は、拳を使う者は本来は握らせてはいけない、という教えだと思っています。
実戦は払った後ですぐ連反抗。不意打ちで握られた時に柔法と私は考えています。一回払われたら、ちょっと気が利いた人間は警戒し、別の技にはいると思います。わざとつかませるなら、むしろ素直に握らせて重心を奪う方がいいかと。

私なら、一回払われたら、次は握る振りして別の手で殴るか、蹴るかをするでしょう。相手が打撃家ならそれこそ、上段を攻撃する振りしてタックル。

捕られる時点で相手を誘導〜崩す。のことでしょうか(^_^;

そうです、補足必要なさそうですね。
でも崩す方向によっては払わない場合もあるし、払わないで始まる法形もありまうよね。
初期のころにこれをさせるのは、意識の問題だと思います。
握られるのではなく握らせる。従ではなく主であるための行為かと?



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