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絶対安全と確率安全
121 名前:615期生 ◆1WOpAbkgRc [sage] 投稿日:2005/07/28(木) 10:49:03 ID:wLWDAMHK0
尼崎の鉄道事故は不幸なことでした。私も知り合いの知り合いがなくなりましたが、
それでもマスコミの報道とJRの対応にはいろい考えさせられます。建前が先走っているように思えます。
もちろん建前も大切ですが、実から離れた対応は結局は不利益を招きくものではないかと思います。。

1998年 6月3日にドイツのEschedeで起きたICE(ドイツの新幹線)の脱線事故は,死者 100人,重傷者80人を出した.高速鉄道の事故は大きな被害をもたらした〜事故がありました。しかし当時のドイツ運輸大臣の発言は
「環境指向の交通政策として鉄道を必要とする.この事故のために鉄道優先政策を放棄しないようにするために,我々は配慮しなければならない.」と述べ,中心地間の交通としての鉄道を国として明確に位置づけている.」
でした。このような姿勢がリーダーには必要だったのでないかと私は考えています。

実際に武道団体少林寺拳法で、20年間乱捕り試合を行わなかったことで多くの変化があったと皆感じてるんじゃないのかな。

122 名前:615期生 ◆1WOpAbkgRc [sage] 投稿日:2005/07/28(木) 10:53:27 ID:wLWDAMHK0
4.1 絶対安全と確率安全(3)(7)(9)
 このように,他交通と較べて非常に安全で省エネルギー,環境面でも優れている鉄道を,日本の総合交通体系からの視点からは優遇していくべきと思われる.
 ドイツにおいても,運輸大臣の発言で「環境指向の交通政策として鉄道を必要とする.この事故のために鉄道優先政策を放棄しないようにするために,我々は配慮しなければならない.」と述べ,中心地間の交通としての鉄道を国として明確に位置づけている.
 しかし,個々の乗客にとって自分が事故に遭遇するという想定はあまりなく,事故は将来のエネルギー危機,環境危機と共にあくまでも他人事である場合が多い.乗客の交通手段の選択は,安全性や省エネルギー,環境の観点よりは,快適性,良いサービス,運賃がより優先度が高い要因のように感ずる.ドイツ鉄道社長がインタビューで「乗客は快適さ,時間厳守,速度および安全性の混合物を望んでいる.」と述べているが,安全性の役割をより増していくには安全性をより科学的に扱う必要があると考える.
 鉄道は絶対安全でなければならない.お客様の死亡事故0でなくてはならない.目標としては当然そうであるが,非常に確率の低い最悪シナリオを考えるならば,100%事故がおきないと言いきれない場合も想定される.


123 名前:615期生 ◆1WOpAbkgRc [sage] 投稿日:2005/07/28(木) 10:54:43 ID:wLWDAMHK0
 安全を定量的に評価して初めて,安全対策の意義付けができる.今までよりこの対策をする事により20%安全性が向上したというように.各安全対策が定量的に評価できるようになれば,どの安全対策が優先されるべきかの戦略も明らかになってくる.
 絶対的な安全を実現しようとすると,運行の安定性が侵されてしまいすぐ止まってしまう鉄道になったり,非常なコスト増を招いてしまう.その結果,乗客離れの遠因を作ってしまい,乗客をより不安全な自動車など他交通機関に移すことになり,日本の交通全体としての安全性を低下させてしまうという側面も出てくる.
 今回のドイツの事故の報道において,交通政策の最高責任者である運輸大臣が「100%安全な移動性が存在するという幻想に人が身をゆだねるようにしてはいけない.」と事故直後にインタビューに答えているが,社会の安全に対する考え方が背景にあると感ずる.大学教授のコメント,駅での旅行客のコメントなど,事故に対して,安全に対して客観的に捉える理性的な反応が多いように感じた.また,マスコミの対応は比較的クールで,翌週にはほとんど関連記事が見当たらず,仮に日本で同じような事故が起こった時に,想像されるものとは大分異なる.社会,文化的,宗教的背景によるのかもしれない.
 日本の風土の中でも,絶対安全を目標にはしつつも具体的対応としては他の災害,事故の確率等を参考に世論の同意を得つつ,確率論的安全性へ踏み込んでいく時期にきているように感ずる.安全を定量的に捕らえる事は,まさに保険会社がやっている事である.この対策でどの程度確率が減るのか.隕石に当たって死ぬ確率程度なのか,自動車事故に会って死ぬ確率程度なのかと.


引用元 http://www.kenf.or.jp/annualreview/derailment1.html


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