法形の周辺、厚みのある法形演練を 法形演練が非常に脆弱なものになっていないでしょうか。試験に出る形しかやらない。そういう稽古になってはいないでしょうか。法形は試験科目としてのみ存在するものですか?
法形をもっと力強く、もっと厚みがありそして太く、さらに他の法形との関係を理解し有機的に結びつける。これが少林寺拳法に不足している稽古です。乱捕りとは結局はこらのことを動的に行うに過ぎません。少林寺拳法にはたくさんの法形が用意されています。これをすこし頭を使って、静的に、思考し、組み立てていきませんか? 組織され全体像が見えてきたときこそ、個々の法形が輝くでしょう。 法形を個々に単独で行うのではなく、組み合わせることでもっと楽しめます。法形はパーツであり格闘の場面における一部分に過ぎません。演武の構成を考えればそれは明確です。3-4の法形をもって一構成としているはずです。 法形を基本へ、乱捕りへ演武へ有機的につなげましょう。「実際にこんなことは当たり前ではないのか? という拳士の方々も多いと思うが、丸廉ではそういものこそちゃんとあげていきたいと思います。 法形の組み合わせには以下のような分類があります。 T 表裏・順逆・左右 U 時系列 V 水平 W 垂直 X 相対 ※T、Uは法形演練を行ううえで必修となるものです。このUまでをしっかりするだけでも、法形が乱捕りと演武を不二にします。 T. 表裏・順逆・左右 頭と体を柔軟に。磨き上げます。 教範を見れば分かるとおり、一つの法形は何系・何法もあります。左-右、順-逆、表-裏、前-後などですね。細かいところですと、立-居、単-連もありますね。
(ov27に実施、またov42「流水蹴」がより具体的です。参考してください。) 、ちょっとだらだになっちゃいますけど、内受突のパターンを書き出してみますね。2の4乗だから16パターンかな。各表は機械的に並べてるので、表1と表2の1-16行は対応してませんのでご注意を。 |
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普段やってる内受突はどれですかね、たぶん表2で言えば、3かなと思いますけども。他はどうせ試験に出ない、そういうことの積み重ねが、現状の少林寺拳法を作ったのです。1/16しかやらない、そりゃ薄っぺらくなりますって。内受突に16倍も時間かけてられるかとか考えている人がいるなら、それは本当に悲しい認識だ。実際はせいぜい2-3倍でで済むはずだ。慣れれば1倍、変わんない時間でできますって。それぞれは別に別個のことをやっているわけではないのです。関連があることをいろんな角度でやってるだけです。 そして過去には、基本からこのような厚い法形に繋げる稽古が行われていた、ようなんですよね。それは別項。 |
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U.時系列法形から生まれる乱捕りと演武の中間。これが、乱捕りのような演武、演武のような乱捕り。 複数の法形を時系列で繋げて行います。つまり、上受突→(連反攻)→内受突といった具合です。 地味・単純ですが、繋げるだけでもかなり集中力が増し稽古の密度が上がります。繋ぎの箇所は法形には既定されていない部分ですから、当然自分で工夫します。そして少し長めの攻防を行うことで、単発的な動作に前後と関連した流れが生まれてきます。時系列につなげる事で法形の前後も意識できるようになります。 これも別に当たり前のことで、高段者の試験科目では時系列につながった項目が多数見られます。昔は練習でもよくしていたとのこと。この時系列につなげた延長に演武があることは容易に想像が付きます。連反攻について 法形(連) 時系列に限らず、このページ以下に共通することですが、複数の法形を組み合わせる場合に大切になることは、前項の「表裏・順逆・左右」の厚みのある法形が行える事です。1/16の法形しかできない拳士は、複数の法形を繋げる部品自体が貧弱であり、実質つなげる為には不自然な構成が生まれてしまうのです。だからこそ、単一の法形演練からして厚みを持たせないと、少林寺拳法の肝である法形演練自体を細らせてしまうのです。 組み合わせは、どんなものでもいけるはずです。昨今の演武では、まず流れありきで構成が組まれるので、あえて不自然?な流れを入れることもオススメします。自由攻防では、そういった一見不自然に見える動作で満ちています。しかし現実にはそのようなものが沢山あります。世の中は一見乱雑です。これも研究してみましょう。「あえて不自然な流れをいれる」というのは不自然かも知れません。選んだ組み合わせが多少難しくてもやってみる、とも言えるでしょうか。 技の流れを考えるとき体勢的に無理なのか、ただ自分の練度の関係で無理なのか、これも考える必要があります。稽古として考えるならば守者の攻防はより自然なものを求めるべきですが、攻者の攻撃については自然な流れのものと併せて乱雑さを持たせることも厚みをつける上で大切だと思います。 実際の練習では、三つほどの法形を指定し、 (攻者)→(守者)→(攻者) (守者)→(攻者)→(守者) と攻守を入換えた方法をオススメします。 実際に行った回はこちら ※ 以下はより深く法形演練を行うための仕組みです。 V.水平 詳しくはこちら → 複合法形U 形稽古をやっていると攻者の攻撃法が既に分かっている、だから攻者のアクションに幅を持たせることで、守者側に運用の要素を持たせる、つまり自分で選択していくことが必要な稽古を行ないます。なぜ乱捕りをするのか
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W.垂直 余裕が出てきた場合により他の法形で初撃でかたをつけたり(例1)より難度の高い法形に昇華させたり(例2)する事です。複数の法形を意識することで共通する体使いなどに気がつくかもしれません。 この変化は、より難しいことを自分の為にするのであって、上のI.やII.のように変化の要因が外(彼我の体勢等)にあるのではなく、内(我の向上心)にある変化です。 他の法形で早めにかたをつける 天王拳系は基本的にエラーケースの技なので術の稽古のときは別に二撃目を必ずしも待つ必要はありません。もしもの二撃目に備えるなどの観点から連攻に対する練習は必要ですし、また併せて一撃目で対処できるように努めるべきでもあります。
より難度の高い法形に移行してみる 例2
いずれにしろ戦術的には別個なものがいくらあっても仕方ないので、法形を収斂する修行・経験は必要だと思います。
X.相対 攻守が入れ替わる組み合わせもあります。 入門後最初に習う柔法は何でしょうか。小手抜ではありませんよ、腕十字です。何故、腕十字を最初に学ぶのでしょうか。腕十字に似た技、腕十字のような腕を捕る技は逮捕術や柔道でもある比較的一般的な技なのです。これをまず教えます。そしてちょっと痛く捕られるわけです、新入門は。そこで小手抜というか、鉤手の登場です。「こんな痛い技がある」「比較的一般的な技だぞー」「これから身を護れよー」ということで守る必要性が生まれ、小手抜につながるわけです。科目表はよくできてます♪ 腕十字は腕を引きます。小手抜は引かれた時の守法です。これが続けざまにカリキュラムに入っているのは偶然ではありません(たぶん)。 またこの相対考える際、重要になるのは三合拳です。三合拳の攻者は一字構です。攻者は守者であり、守者は攻者であるということです。攻者は何を警戒して一字構なのでしょうか。 法形に、変化(応用)を持たせるとか、選択肢を迫ることでもっとよりよい稽古となるはずです。法形を単なる固定された伝統芸能にしないようにしましょう。偶像崇拝禁止!! 法形は目的ではなく手段です。法形を生かしましょう。 上記のT〜Wを組み合わせることでより法形の形が見えて来るはずです。これらは決して特別な稽古ではありません。 |
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法形の組み合わせは、科目表や武専カリキュラムを 見ればちゃんと狙って組み合わせてあります。 もっともっとありますので各自研究してください。 法形(連) 法形で遊ぼう、実際の演練法
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