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体力を養おう
体力の概念
 体力と言う概念には、精神的要素を含む場合があります。これは私たちが霊肉一如と言うように、身体的能力を存分に発揮するためには精神的な要素も高める必要があるという考えに基づきます。(fig.1)
 身体的要素・精神的要素ともに行動体力防衛体力に分けられます。行動体力は行動を起こし持続させる能力、防衛体力は健康や生命活動を維持したり安定化する能力のことです。これらの間にも相関があります。別にこと細かく分類する必要もないのかもしれませんが、霊肉一如、拳禅一如を掲げる私たちには、このような現代スポーツの分類に目を通すことは、改めて
少林寺拳法を通して如何なるものを養うべきなのかを考えさせてくれます。



fig.1 体力の分類
形態とは、身長体重や体脂肪率のこと。サイバネティックス系はそれぞれ個別に計測可能なものであるが、機能としては相互に関連性が高い。持久力には、筋持久力と心肺持久力がある。敏捷性とは、体勢や身体の向きを素早く変化させる能力のこと。神経伝達と筋収縮が関わる。協調性は全身を要領よく動かす能力。柔軟性と平衡性は、静的なものと動的なものが区別されます。 静的柔軟性は静止した状態での柔軟性です。これは関節の最大稼動域をいい、動的柔軟性はこの稼動域内でのスムーズさを言います。柔軟性が高いと怪我の予防にもつながります。静的な平衡性とは静止した状態での姿勢正義能力、動的平衡性とは変化する運動の中で姿勢をコントロールする能力のことです。身体的ストレスというのは、暑さ寒さ、低酸素などのことです。行動体力の向上を目的にハードなトレーニングを行うと場合によっては防衛体力が低下します。(オーバートレーニング)

アマチュアには防衛体力こそがより重要である
 これらに目を通して分かるように、「体力」と呼ばれるものには計測できるものと計測ができないものがあります。体長や柔軟性などは比較的容易に計測できますが、ストレスに対する抵抗力や免疫力は計測が難しいですね。しかし、計測が難しいからといって無視できるものではありません。何故ならば、トップアスリートではなく多くがアマチュアで占められる私たち一般人にとっては、むしろ
「身体的要素-行動体力」以外の要素のほうが生活上重要だからです。私たちが速く走ったり高く飛べたりすることも素晴らしいことですが、風邪を患わないだとか強い意志を持てることのほうもまた重要になるからです。ですから、このようなものも養っていこうという視点を持つことは決して無駄なことではありません。そして運動を通して防衛体力を鍛えるという期待があるわけです。
 実際に定期的な運動をする人は、冠動脈疾患、高血圧、脳卒中、大腸癌、糖尿病、骨粗鬆症などの発症率が低下するそうです。女性についても更年期障害が緩やかだという知見があるようです。
 また当然のことですが、体力の向上はパフォーマンスの向上ですから高度な技術、戦術・戦略を可能にします。体力と技術は両輪であることは明白です。しかしだからといって体力をつけるというとが、即
競技思考たど考えるのは誤りです。

 少林寺拳法の拳士は何故か身体を鍛えることに積極的ではなく、やもすれば否定的な発言すら耳にすることがありますが、せめて最低限の基礎的な体力は積極的に養いたいものです。それが
健康に大きな役割をはたすためです。
 これは体力に限ったことではありませんが、昔の拳士は若いころにいろんな意味でガッチリやってきたのです。そんな人たちが年を経ていろんな優しいこと言いますけど、その通りだけやってたら先人の地点にすらいつまで経っても到達できないのは自明です。


生理学の基本原則、ルーの三原則 Wilhelm Roux(1850-1924)
  • やると付く
  • 止めると落ちる
  • やりすぎると壊れる
この当たり前のことを再確認しましょう。


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