トップ > 豆辞典 > スポーツ科学の知識 > トレーニング論 形態別分類


〜形態別分類〜

 運動強度によってそれぞれエネルギーの供給経路に特徴があります、つまり鍛える場所が異なるということですね。
エネルギーの供給系には、
  • ATP-CP系(クレアチンリン酸系)
  • 乳酸系
  • 有酸素系
があります。その関係は以下
 運動時間(横軸)が長くなるつまり単位時間の運動強度が低いときは有酸素系への依存度が高まる。短くなればATP-CP系が高まる。



  • ATP-CP系(クレアチンリン酸系)
     筋肉に蓄えられていて、筋肉の活動に直接使えるエネルギー。しかし筋肉はあまり多くのATPを蓄えられないので絶えず再合成をしなくてはならない。そのためにエネルギーの供給が必要になる。
     短距離走やゴルフのスイング、砲丸投げ等。あわ秒未満の運動はATP系がメイン。護身術で瞬間的に力を使うのならこれ。
  • 乳酸系
     30-90秒くらいまでの運動は、乳酸系とATP系。100m競泳、200-400m競争など。また3分までの運動は乳酸系と有酸素系。800-1500m競争ボクシング・レスリングの1ラウンドなど。
  • 有酸素系
    長時間になるとたいていが有酸素系になる。マラソン、トライアスロンなど。
     呼吸器系・循環器系に負荷がかかるので全身持久力を改善するならこれ。15分以上が目安となる。

 初心者であれば、無理の無い強度で無理の無い時間で始める。慣れてきたら強度と時間を上げていきます



 休息無しで軽度の運動を続ける持続的トレーニング、低強度と高強度の運動を繰り返すインターバルトレーニング、高強度の運動と完全休息を繰り返すレペティショントレーニングがあります。 



持続的トレーニング
15分以上の運動を目安として、競技・体力水準を考慮して行う。スポーツ的にいうとちょっとしんどいくらいの強度で続けます。脳みそで柔法やってる段階では足りません。でも柔法の練習を普通にやればこれになります。立ち上がり動作が多かったり飛受身をしたりするような運動強度です。また基本で力みすぎない程度の剛法科目を30分以上するなど。心拍数を110拍以上が一つの目安かなと。女性拳士やメタボが気になる中年拳士はこの運動をしっかりとやりましょう。


インターバルトレーニング
 呼吸循環器に強い刺激を与えらことができる。その結果としてスピードが高まり全身持久力が改善する効果が期待できる。例えば強強度運動では心拍を180拍
(そうとうしんどい)、低強度で120拍くらいでおこなう。低強度時は休憩ではなくあくまで運動時間です。
 球技の不規則なダッシュの繰り返すような競技には向いています。陸上競技で言うところの、200m走って200m歩くの繰り返しです。休息は完全な休息ではなくて体は軽く動かし続けます。武道ではおなじみのサーキットトレーニングもこれに入ります。また移動の突蹴もこれかなと。運動と休息をそれぞれ長くとると有酸素系の運動になりますので、これもメタボ対策にもなります。
 基礎的な体力づくりに向いていますが、専門的な体力づくりとしては限界があるとされています。


レペティショントレーニング
 高強度の運動と完全休息の繰り返しです。トレーニング前の全く披露のない状態まで休むのではなく、体調が整い「次いってもょぅかぁ!!」という気持ちが出るくらいまでの休息です。運動強度が高いため、ATP系と乳酸系の無酸素的エネルギー供給源に負荷がかかります。ウェイトトレーニングはこれです。




全習法と分習法
指導法として全習法(whole method)と分習法(pert method)があります。法形演練でいいますと、説明の最初に、結手合掌から技を見せ、合掌結手で終了するまで解説を加えずズババッとまずやって見せること、これを全習法といいます。その後で細かい部分に分割し解説するというのが、分習法です。まず全体を見せて技の全体像をイメージすることは大切ですよね。細かい解説から入ると、全体像の見えないままどこまで続くかわからないまま聞くことになり、頭での整理に非常に不都合です。
 また運動学では、「通常は」全習法のほうが能率的であると考えられています。


 



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