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 法形から乱捕り稽古へ。。。  乱捕り稽古をどのようにやったらいいのか良からない、導入過程が分からない、ましてや法形と乱捕りの動作はあまりに差があるのではないか、、、法形って意味あるのか!? と悩み苦悩しながら稽古する拳士は、特に若い拳士の中には多いのではないか。
  以下は丸廉に過去存在していた掲示板「秘伝板第二系」から引用したものです。掲示板由来なのでまとまりがなくさわり程度ですが、早急にアプできるのでアプします。ほとんどがSyamiさんのカキコですよ。

々は法形の相対演練を拳法練習の主体に置いています。
  然るに「乱捕り練習」になると多くの人は日頃修練している「法形」とはかなりかけ離れた事をしているようです。「法形」は反応や運動能力の向上を得るためのものであるから、実際に自由に打ち合う時はこれを無理に踏襲しようとしなくても良いと言う意見もありますが、いかがなものでしょう?過日の先達達は乱捕りにおいてもあたかも「演武」の様な動きで行ったと言います。どうすれば少林寺拳法の風格と利点、特徴を活かした「乱捕り稽古」が出来るか?それを私が今までに学んだノウハウを元に考察してみたいと思います。


の法形と乱捕りに関する事は、HPでも早く乗せていきたいと思っているのです。2ちゃんねるでも僕の知っている拳士でもこのことに疑問を持っている人は多いようですよね。僕の考えは、2ちゃんでもありましたが、
  法形は実際の動作をより「強調」したものですから、必ずしも法形の動作がそのまま乱捕りに出なくても良いと考えています。(もちろんできたらCOOL!!) 上段来たら自然と受けが出てしまった、ら、それはまるで内受的な動作だった、みたいな感じで少林寺の動きが自然と出て来る様にするため法形やっていると思ってます。練習により多く励む事でよりこういった動作、的確な受、的確な反撃等ができるようになってくものだと、僕は信じてます。柔法でも別にどこを掴まれたらどの技と言うのではなく、最終的には数百の技から数個の共通項を学び、そられを理解・会得していくためのものだと考えていますが。
  どこを掴まれたらどの技をというのは、数学のテスト前に、公式のa,bに出そうな数字を代入していき、そられの解答を全て覚えていくようなものだと思います。数学で10-20問解いていく過程で、a,bにどのような数字が来ても解答を導けるようになっていくように、少林寺の場合でも同じようなことがいえると思ってます。でもどうやれば「特徴を生かした乱捕り稽古」ができるのかというのは模索中です。
  「無理に踏襲する」というのは、まさに無理してるので限定乱捕りなどで極力無理の少ない条件から始めて行く事が大切ではないかと思います。最終的には先人たちのように「演武」のような乱捕りを目指して。乱捕り稽古の時にまったく法形を考え無いでいると、まさしく軍鶏になってしまうと思います。


形は数多ある攻防のパターンの代表的なものをピックアップしてまとめたモノです。曰く仁王拳は上段手攻撃に対する反撃、天王拳は手攻撃から、地王拳は足から始まる連攻防等々。しかし、多くの修行者は単なるパターン学習に止まってしまっているように思います。
  例えば突天一を例にするならば、本来上中二連を捌く法形ですがこれが出来るようになったら、上上二連を練習するのです。正しく「二連防」が出来ていたら全く同じ動作で捌ける筈です。これが出来るようになったら、通常の練習ではこれらを混ぜて自由に行う訳です。そして上級者になったらこれに更に「連反攻」を加えます。
  では、「連反攻」はどのようなものと理解すれば良いか?これこそ、パターンは避ける様にしなければなりません。  法形の攻防が終了し、一瞬双方の動きが途切れた時に、お互いに一瞬のうちに「隙」をスキャンし、そこに容赦ない加撃を行います。中野先生は「少なくとも五連はしなさい。相手がここには来ないだろうと思っているところを攻めるのだ。」などとおっしゃっていきなりハイキックなどをくださいます。
  ここまで来ると乱捕りと殆ど変わらなくなりますね。この様にして段階的に法形の「自由度」を広げて行くのです。では、この様な「自由な攻防」に対応するにはどうすれば良いか?これは先ず「観る」事が必要です。では、観る事は何処で練習するか?そう。基本法形で練習する訳ですね。前回のオフ会でも私は「目付」をうるさく言っていましたが、これは絶対必要なのです。武術では「一眼、二足、三胆、四力」と言います。この様に法形と自由攻防とをお互いに展開、フィードバックしながら練習すれば、本門の術理と風格を活かした「乱捕り稽古」を実現できると思われます。 
  以前のオフ会でも、この辺は突天三と蹴天三を題材に講じましたね。また、法形は一定のスクリプトを以て組成されています。これも注意するべきでしょう。何故そうなるか?これは常に考えてください。上記を例にするならば、
1、上段に隙が有るから上段を突く!
2、防御動作によって中段に隙が出来たからそこを突く!!
3、中段の防御動作で相手の右上段に隙が出来たからそこを突く!!!・・・と「突天三」に成るわけです。
3、で、突きの間合いを切られてしまった!では蹴りだ!!・・・になると「蹴天三」に成るわけです。
これの展開で
3、中段の防御動作で相手の右中段に隙が出来たからそこを突く!!!
3、中段の防御動作で相手の左上段に隙が出来たからそこに三日月蹴りを行う!!!
と言った変化も考えられます。隙の無いところに攻撃をしても効果は期待できないでしょう。隙を見つけ、また、隙を作り、作らせてそこを攻撃するのです。こう言う考え方が蟷螂拳で言うところの「漏と補」になるわけです。
  眼にも止まらぬ三連攻と言うのも悪くないかも知れませんが、当てずっぽうに放たれてしまっては非効率的かも知れませんネ?乱捕りで大事なのは如何に恐怖感を与えないで導入するかだね。そう言う意味でも「真剣な」法形演練でたっぷり恐怖感を味わって置いて、それに慣れた上で法形の自由度を上げて行くと言うのは有効だと思うのですよ。 
  では、ここでビスキュイさんが、前回の練習を発展させて「天三之形」を展開したそうですので発表してもらいましょう。


Syamiさんからの宿題だ〜!え〜ん。
 と言うわけでOFF会で教えていただいた練習法を道院で実際に試してみた結果について書いてみます。
 まずは教えていただいたとおりのやり方で試してみました。その時に問題となったのは、守者の側の「観の目」もさることながら攻者の側の「観の目」ができていないと中々にこの練習は難しいということです。普段手順の決まったやり方のみを修練しているためにいざ攻撃を選択性にすると攻者の側が戸惑ってしまい動きが止まってしまうのです。ですからこの練習を初めて行う際には、練習の趣旨をよく説明したうえ攻者の代表的な攻撃パターンを幾つか示した後に攻者の練習(相手を立てての打ち込み稽古のようなもの)を行う必要があるかもしれません。
 さて、最初は突天三の2パターン(上中上・上中中)を練習した後に蹴天三と組み合わせて3パターンの選択性(上中上・上中中・上中蹴)で練習をしたわけですが、その後さらに組み合わせを増やして試したみましたが、最終的には上中上・上中中・上上上・上上中・上中直蹴・上上直蹴・上中中段廻蹴・上上中段廻蹴・上中三日月蹴・上上三日月蹴の10パターンまで増やして練習してみました。しかしここまでくるとかなり乱捕に近いですね。さらに連反攻まで加えた日にはもう…。皆様もお試しあれ。
 Syamiさん、このようなところでいかがでしょうか? 


Very Well! 結構でした。
  そう、ビスキュイさんも書いていますが、これは攻守共に「目」を鍛える事を第一義にしています。パターン学習のみでは攻者、守者共に指示された動きのみを学習し、何時しか「観る」事がおろそかになって行きます。これでは「踊り」の振り付けと変わりません。これではダメです。
  攻者は一瞬の内に守者の「隙」を見つけ、見つけた時は既にそこに攻撃が届いていなければなりません。守者はこの様な修練の内に万全の守りを身に付け、その後自ら任意の場所に「隙」を作りそこに相手の意識、攻撃を「誘導」し、自分の思惑通りの反撃を成功させる。ここまで来て、初めて少林寺拳法の「後出しじゃんけん」が成立する訳です。法形はこのようにして練習するモノなのでアル!とは如我是聞。
  しかし、これにしても、段階的に導入していく必要があります。「天三之形」ならば最後の一撃の前に攻者の「スキャニング」と「セレクティング」のために敢えて長めの一呼吸空けるようにします。最初はゆっくり隙を見つけこに加撃する練習をし、慣れるにつれその「一呼吸」を短くしてゆくのです。
  最終的には、お互いに「ちゃんと観ながら」一瞬の飛燕の突き蹴りを以って攻防を行うと・・・。このように、基本的な「法形」を身に付けた上でこれの自由度を上げて行けば自然に無理なく乱稽古に移行できると思います。


たくしが先生から教わったところから自分なりに考えますと、法形→演武→乱捕(限定・自由)→法形→演武→乱捕(限定・自由)→・・・という繰り返し練習がやはり一番ベストなのかなぁ、と思っています。特に自由乱捕でボカスカやってへろへろになった後に、仁王拳やら白蓮拳、三合拳を抽出でさーっとやって最後に合掌礼でビシーッと決めると迫力満点、という感じがしていいかな、と。  

(2002/09)



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