トップ > 活動の記録 > 乱捕りしよう > またーり腹打

  腹打ちとはそのまんま、相対でお互いに腹を打ち合うことです。こういうことをすると、まずイメージとして根性稽古の類と思われてしまいますが、それは一面に過ぎません。強度を上げれば根性稽古にもなるのですが、このページでの紹介は、あくまで技術的な向上を目的としています。ですから、女性でも子供でもできます。

【目的】
  1. 当身の5要素の実地を学ぶ
  2. 根性稽古にも使えます。
    間違いなく腹筋を締めれるようにはなります。 
【手順】
  1. 開足中段構で相対する。正対構。
  2. 守者は八相構、攻者から三発ずつ加撃する。
  3. 守者は三発の内、最も効いた加撃を伝える。重要
      ex) 「二発目!!」 「どれもはずれ!!」
           「〜発目もうちょい右がいいかも」
  4. 攻守交替、互いに30回ほどを1セットとする。
イメージ動画




【腹打稽古のポイント】
  1. 人体を打てる。胴突ではわからない肉の感触を拳で知ることができる。重要 
    • 拳に肉が当たってからどの程度突き込むと効くのか等、加減を学ぶことができる。感覚的にわかるようになると、法形演練・乱捕り稽古においても意義のある当て止めが可能になる。
  2. 様々な痛みがあることをより安全に体験できる。 やればわかる!!
    • 表面的な痛み → 胸骨など
    • 内面の痛み・気持ちが萎える痛み → 水月など
  3. 痛みを知ることができる。
    • 鍛えていない人間はがどんなに弱いのか、鍛えている人間が如何に強いのかを学ぶ。
    • 女性であっても、鍛えてない人間に対しては全力ではなくても十分に利かせれる。できることとできないことを体験する。
    • あわせて守者側も自分の限界というものがわかってくる。「痛いけど耐えれる」というのがわかって来ると吉。初めての痛みに対しては、精神的に萎える。しかし自分の強度がわかって来ると、「痛いだけ」と思える様になってくる。もちろん限界はあるが、護身錬胆にも繋がる。

【注意点とその他】
  1. 最初は手打ちから始める。徐々に強めていってまず相手の強度を確認する。無理は禁物、痛いもんは痛い
  2. 守者は手で受けずに大きめの八相構をキープする。耐えるべし。守者は基本的に後退してはいけない。
  3. 少し痛いくらいがお互いにとってちょうど良い。
    • 30回を繰り返せるが50回はイヤッというくらいがいい。馴れ合い禁物、でも根性稽古じゃない。
    • 強すぎると大変だが、強めにしたほうが入った感触が分かりやすい。だからできるだけ強く。
  4. わざとらしいくらい大きな動きでするとことで、殺伐することを避けることができる。
  5. 意地悪な加撃はしない。嫌われる。まじで。お互いに体を提供しあっているということを忘れないこと。
  6. 信頼できない人とはしないこと。死ねる。ちゃんとやれば信頼感高まります。


【利点詳細】
 攻者
  1. 正しい位置が分かる
     本で読むのと実際にやってみるのとでは明らかに含蓄が異なります。絶対に発見がある。
  2. 正しい角度が分かる
     同上。なお関連項目として、守者も少しずらせば効果が落ちることがわかる。
  3. 当たる感触
     効いたとき、効かなかったときは明らかに拳の感触が違います。効かせるための加減も分かります。拳に残る人体の感触は最高に気持ちいい。胴とはまったく違う。
  4. 何故か手の感触が慣れて来ると。。。
     守者が変わってもちゃんと手が急所を吸い込まれる。当然道衣の上から、何故か急所の位置が、、、分かる。
  5. 急所ごとに効かせやすい攻撃がある。
     やっぱり攻防用器は適在適所らしい。位置と角度から効かせやすい技(攻撃の軌道)と技に応じた使いやすい攻防用器がある。そして虚実。それが体解できる。

 守者
  1. 腹筋を締める稽古になる。
     物理的な筋量だけではほとんど役に立ちません。筋肉を締める稽古が必要です。
  2. 体の限界が分かる。
     これが実は打撃に対する一番目の壁。痛い=やられた、ではない。痛いと倒れるは違う。痛いけどまだやれる!! という体の限界を知ることは大切なことです。自分の限界が分かれば、相対演練の時にも必ず活きます。必ずです。

     スピードスケートの清水宏保選手は、自分の体を作るために失神するほどのトレーニングをして金メダルを何度も得たわけですが、清水選手の考えは「防御本能による心理的限界をいかに肉体的限界に近づけるか」であり、限界の幅を広げようとしていた、というのです。
    私たちも自分の限界に少しでも挑戦しようではありませんか。

 両者
  1. 守者は自分にとって痛いポイントをわざわざ教えるのです。攻者のために。これは組手主体の妙です。守者が我が身を呈して攻者を導く、これすると本当にお互いの信頼感が強まります。マジ。


【演習課題】
  これらは、ある程度慣れてきてから行うと、何か発見があるかもしれません。あくまで慣れてきてから!!
  1. 極め無しの加撃をしてみる。
  2. 冴え無しで加撃してみる。つまり押し込むような突
  3. 水月を掌拳打で打ってみる。(三角抜の後のような体勢から)
  4. 前三枚を横鈎突で打つ。体幹方向と否体幹方向の両方を試してみること。
  5. 前三枚に対して、横鈎突・横振突を試してみる。共に冴えは付けずに試してみること。
  6. 水月に対する直突において、一瞬の寸止めを用いて加撃のタイミングをずらしてみる。
  7. 胸部に対する突き下げ鈎突をしてみる。次に水月に対して加撃する。
  8. 裏拳もしくは大拳頭による振突を用いて、後三枚に加撃する。
  9. あえて、をつけて痛みに差があるかを体験してみる。

    (以後、各人で創意工夫してちょ)
  10. 位置を試す。
    • 水月・三枚など腹部を基本とする。
    • 胸部も試してみる。
    • わざと位置をずらして、その効果の違いを確認する。
    • 位置と加撃強度の違いも考えてみる。
  11. 角度を試す。
    • 各急所の角度を体験する。 (知る、ではなく経験する)
    • 体幹へ向かう加撃と、体幹を外した加撃を比べてみる。
    • 最適な方向がわかれば、攻撃用器を変えてより使いやすい用器を探す。
  12. 攻撃用器。突き方を変えてみる。
    • 正拳・裏拳・内掌・手刀・一本拳、直突・鈎突・振突など。


【もっと腹打】
  1. 加撃強度を上げて、腹筋と根性を鍛える。男同士なら上半身裸でやれば男前w
  2. 中段といっても、一つではない事を知る!!
    • 上段・中段、、、というほど中段は単一な存在ではなく、中段にも異なる意識と感覚が存在する。つまり、中段の中にも更に意識の中で虚実が存在することを知る。例えば、水月に来るとふんだ時に前三枚に加撃すると、やはりより効果的に効いてしまう。このような単一でない中段というものを知る。
    • 逆にあえて中段を単一にしてしまう方法がある。方法のひとつに「中段を見ない」ことがある。相手を見たまま、「中段きた〜」くらいに思って細かい意識はぶっ飛ばす。人によってはこれで中段をある程度単一にできる。(らしい、私と一緒に腹を打っていた人が言っていました)
    • こんな具合でいろいろと試してみる。自ら方法を探ってみてください。。

【関連ページ】 痛いということ  守主攻従の技術体系を支えるもの

やってみると意外と楽しい、ハッスルしますのでぜひどーぞ。
何故かこれを数日すると、お互いに信頼感が生まれるから不思議。まじです。
 「〜発目もうちょい右がいいかも」など、あえて自分が痛いポイントを相手に教ええる、教えあうというのはいいもんですよ〜。


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