廻蹴
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振蹴
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私のイメージでは振蹴、まぁ「空手の蹴」とか言われちゃうことがある蹴です。「空手の蹴」という表現には突っ込みどころ満載ですが今回は割愛。少林寺拳法には振蹴という蹴技がちゃんとあります
一般的な攻撃用器は足甲や脛ですね。 |
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fig.1 |
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やや特徴を示すために極端に書いています(以下同様)。青いのは人で上から見ています。矢印は足の先の軌道を示しています。蹴られる側が真正面を向いていますが、これはイメージですのでご容赦を。
振蹴は相手を外側から叩きつける・被せるようなイメージです。対して、廻蹴は、 |
fig.2 |
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こんな感じです。先ず振蹴よりももっと正面からという用い方です。直蹴の変化・延長という位置付けです。
一つ目の角までは直蹴同様で膝を上げてきます。そこから腰(尻)を入れることで膝から先を外側に振廻し起動を変えています。膝から下の感覚は直蹴とまったく同じです。
ともに体感部に向けて蹴っていくことに変わりはありませんが、入る軌道を区別しています。これが水平面。垂直面になると、 |
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振蹴は廻蹴に比べれば、水平に入ってきます。 |
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fig.3 |
振蹴と比べると、刷り上ってくるように入ってきます。 |
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fig.4 |
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まぁここら変はより個人差があるのであまり細かいことは気にせず「差」だけに着眼していただければと思います。
fig.3,4のような違いはどのようなところに影響があるかと言うと、蹴っている者の姿勢が変わります。 |
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fig.3のように水平チックに蹴ろうとすると、よりしっかりとお尻を出す、つまり腰をしっかりと出さないと股関節が痛いし威力が出しずらい。また軸足の踵は相手に向くくらいするのは当たり前。ですから蹴った時の姿勢は、我から見て彼は横にいます。対して廻蹴は、 |
振蹴よりは腰を残せます。直蹴・廻蹴ももちろん腰は使うのですが、振蹴ほど出す必要はなく、正面に体重を掛けながら槍で刺すような蹴を出します。軸足の踵は相手側に向くほど入れることもないと思います。
つまり、廻蹴は振蹴よりも体を回転させない。蹴った時の体制は上半身が振蹴よりは相手を向いています。 |
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fig.5 |
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つまり、廻蹴か振蹴によって足先だけではなく前進の姿勢が変わる。
- 振蹴
彼は側面方向にいる。
- 廻蹴
彼は比較的正面方向にいる。
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振蹴はしっかり体を回転させることになります。しっかり叩きつけて、触れる瞬間にさらに切り込む。筋力や体重があるとより活きます。しかし少林寺拳法はあまり体が回ることを好みません。またいかせん年寄りにはきついかとも思う。体力的に。ピンポイントの前足底の方が体重の小さい者、女性などでも相手を伸しやすいのかもしれません。むずいけど。少林寺拳法はあまり体を回すのが好きじゃないし、背面を少しでも向けるのをかなり嫌ります。【関連・参考】タックル対策
攻防用器と蹴
姿勢、お尻の出し方が変わると攻防用器も変わるのです。
こんな感じで下腿と足に線を…引きました。大体中心を通しているつもりです。(
´∀` ) モノを蹴るなどして足に負荷がかかった場合、力が幹部によって伝えられるだろうということを示しています。 |
fig.6 |
fig.7 |
前述の通り、振蹴よりも刷り上るような廻蹴は、腰がさほど回さないので、足の中心よりも内側にある前足底による接触が自然です。
外側は当てようとするとかなり大変ですね。また当然外側だと前足底は極めて使いづらい。だから、私は内側と前足底はセットで使います。 |
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fig.8 |
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お尻をしっかりと出す振蹴は、廻蹴とは違い外側の方が当たります(攻防用器として足甲や脛の外側を当てるという意味ではありません)。故に外側と足甲・脛は相性がよいです。
お尻を出しているのに、内側を当てるようとするとかなり柔軟性がいります。外側なので前足底はだいぶ大変です。 |
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fig.9 |
また更に受けに注目すると、廻蹴には払受、が少林寺拳法のセオリーですが、よく聞くポイントに三陰交を払うというのがあります。 |
fig.10 ●は三陰交 |
しかし、もし相手がお尻をプリプリに出した振蹴近似のフォームであれば、三陰交はかなり打ちづらい場所にあります。振蹴のフォームの場合、三陰交は自然と払受をする腕から見て隠れます。もし外から被せるような蹴しかできない拳士、また意図して振蹴をされた場合は、三陰交を払うことはけっこう難しい。なんか曲線蹴には払受、払受の時は三陰交、と安易に関連付けると痛い目にあうでしょう。こういうのは状況をみてやりませう。
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つまーり、廻蹴か振蹴かによって攻・防用器も変わる。
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