はじめに
615期生は中学時代の剣道部に所属していました。剣道の稽古では、説明・解説よりもずっと体を動かす割合が多く、指導はその時々に個別に指摘される形で進んだように記憶しています。考えるより慣れろというやつでしょうか。長くやっているといろいろと思うところがあるものです。長くやるからこそ見えてくることがあるのです。毎日しんどかったですが、充実した部活でした。
少林寺拳法は理論の蓄積が多いことはもちろんいいことなのですが、ついつい話したくなるゆえ実際に体を動かす時間を圧迫している場合があることは、拳士ならご存知でしょう(´ー`;)。結果として体に刷り込まれないことも多々。よって「法形なんて使えなーーーい」
→ … → 「少林寺が弱いと言われるのは仕方ない」なんてテーマが2ちゃんなどで続くわけですね。
質の低い稽古は、いくら繰り返しても駄目だ。効率が悪い。なんて声が聞こえてきそうですが、私は黙々乱捕りではあえて「質が低くてもいい」とし、「一時間こなすこと」を第一の目標としました。極端な話、棒立ち・手突でも構わない。他者から見てダラダラしているように見えても構わない。とにかく一時間続けていただきたかったのです。
もちろん質は低いよりも高いほうがいいです。効率のいい稽古法もたくさんあるでしょう。しかしその「方法」は教えることはできても、その本当の質、内容を伝えることはなかなかできません。「死んだ正解より、活きた解法」でいうところの、「死んだ正解」の部分ですね。解法を得るためには、ある程度まとまった時間、もがいてみるのもたまにはいいのではないか。と思ったわけです ゙⊂⌒~⊃(;.;.)Д。)⊃゙ ピクピク
むしろ、日常生活・他分野では常識だろう!! 遠回り・もがく。なんで拳法に限ってそれが行われないのかわからん。一時間もやってりゃ、1.あれ!? なんか上段突ばかりもらうんだけど、、、2.なんか右足だけ疲れてきたんだけど、、、3.なんか思ってたより体力無いんだけど、、、4.なんか〜5......なんか〜と気がつくもんだろ!? Σ(゚Д゚;o)
シンプルなインプットでも、多岐なアウトプットがあるもんでしょ〜。!(゜∀゜)
●黙々乱捕りの成果はどうだったか? ( ´ロ`)なにか?
@経験値を積める
たくさんの人と連続的に乱捕りを「こなす」というのも大変いいものです。一人一人ほんとに違う動きをするものです。私は全員と乱捕りをできたわけではありませんが、覚えている範囲で、それぞれぞれの印象をぶつぶつと〜
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Huch |
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とりあえず超笑顔ですが、重たい攻撃をニヤニヤと出してきます。ヤな感じにローを何度かもらい、私の中段蹴に対して二度も膝が刺さった・・・痛い。そういう馬が合うらしい。でも怖い人ではありません。私はhachさんは丸廉以前から知っている拳士でしたので、まぁこういう人ということは分かっていました〜体格のいいパパですw |
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とぼ |
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一番厳しかった・・・間合い近い近い。ほんと近間でラッシュという感じです。スゲーいい体している
方なので自分の攻撃力のなさを実感。でも熊狩さんに先の合宿で教わっていた近間攻防の技術をかなり試せたので、私的には大変勉強させていただきました。二度ほどレバーが気持ちよく入れられました。そうとう手加減していただきました。感謝!! |
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曲家 |
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とってもやさしく対応していただきました。何だがお腹が固いというか重たい感じでした。ここでも大変手加減していただきました。手数をとても少なかった(手加減だろうニヤニヤ)こちらも変にあせらずじっくりとさせていただきました。 |
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ビスキュイ |
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基本的に単撃ですが、無駄に体がでかいのでやりにくいです。手加減してるのはわかりますが、当たっただけでも体がきしむ。ていか目がコワイ。逝ってる。私みたいな小柄な者はこういうデカイ人を相手にするときは、左右やら転換を意識し〜と入知恵されていのだ試してみましたが、まだまだでした。ちなみにビス氏は出るのも下がるのも基本的に直線的なので、それをなんとか利用したいと思うこのごろ。 |
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ゆいま |
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なんだかかなり落ち着いた乱捕りができるようになったのだなーと関心。攻防も安定して来た感じ。特に蹴が安定して出せているという印象を受けました。 |
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あべ |
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あべさんまだまだ、目を背けてしまう癖がありますが、でも気をつけるべきところが少しずつ意識できるように(内容省略)なったんでないかなーという感じ。 |
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ら |
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とっても指導碁のように接していただきました、丁寧です。円らな瞳でニヤニヤしながら、待気構で中段を誘ってくれるので廻蹴したらちゃんと中段返しがーーーギャーー。結構言葉での指導を加えてくれるので勉強になりまくり。 |
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とけいや |
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この人も超ニヤニヤして、なんか変なことばかりする人です。かなり面白い、てか強い。。。両足刈ってきたり掴みを多用したり、とにかくおもしろい。そのうちライダーキックとか平気でしそう。いつもうまーく自分の行動を制限されていくのでビビル。なんだが気が付くと腕の前に手が置いてあって、突を出せなくなってる。イケテル( ・∀・) |
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アップル |
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スタイルは・・・・忘れた。でもとても噛み合った感じがしてスゲー楽しかったような気がしまする。イメージ的に鏡見ながらやってるみたい〜 |
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こんなたくさんの経験を一時間のうちに(私は40min)どんどん経験するわけです。相手を換える間、間に特に考える時間は与えません。それでも終わってみると思うところがあるから不思議です。丸廉は特に所属や拳暦が様々なのでこれが活きるのかもしれません。
A自己分析の必要がある
黙々乱捕りの場合は技術面のことではありません。体力面です。 |
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「冷静に自己体力の分析をしろ!! 」
「一時間連続でやる」 |
ということで、ガチガチにやっていると、まずもちません。特に今回は「量」をこなすことをかなり強調したので、多くの人に体力配分を考える思考があったはず。
このおかげで、力み過ぎることが無く怪我人防止の大きな一因となったと思います。
んでっ!! 途中で休憩してしまった香具師!! 反省しろ(゚Д゚#)ゴルァ!! 目的を理解しましょう。 |
●なぜけが人が出なかったのか?
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具体的には、怪我人の報告は無かった。各人の自爆程度と考えています。
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@オブザーバーを置いた。
これはやはり重要でしょう。オブザーバーのお仕事は、
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・ときおり「カルメニカルメニヽ(´Д`;)ノ」と叫ぶ |
特に大切なことは、後半差し掛かって体力的に疲れてきた、気持ち的に緩んできた時こそ、事故は起こるもの。この辺をオブザーバーはよく理解していなければならないと思います。
ちなみに、今回の4人という人数は、稽古人数の割合などから出したのではなく、会場の広さから決定しました。今回は主にレギュラー陣がオブザーバーをやりましたが、今後はもっといろんな人にオブザーバーを経験していただきたいと思います。特にあんさんは総首座としての責任感からか、50minもオブザーバーを勤めてくれました。ありがとうございます。そしてごめんなさい。
A女性陣の存在が(☆∀☆)
もしかしたらこういう書き方をすると女性陣に怒られてしまうかもしれないが、大変効果があったので書きます。
今回女性陣がいたのはとても重要な点だったように思われます。数をこなしていくと体は暖まるし心もハイに傾斜することはもちろんありますが、数回に一回女性陣と相対すると、男たちは見事にピュアな心を取り戻して、、、いたように見える。もちろんその筆頭は私だ!!(☆∀☆) もともとピュアだからね
やはり女性陣は気持ちよく思わないかもしれませんが、男は女性と相対する時、男性時の場合よりも自然と肩の力が抜けるものです。加減具合がやはり違います。そのため女性陣がいい感じに「フィルター」になっていた感じを受けました。
B長時間やるという意識があった(だろ?)
上でも書いた通りです。一時間やるから全力ではしない、できない。みんな大人だな〜w
あと掲示板で、「危ないと思ったら見学させる」ということを事前に告知しておきました。どの程度利いたかはわかりませんが、一応参考程度に。
C防具の程度が適切だったと思う
防具は拳サポーター・足脛サポーターが基本でした。後は任意で金カップをつけて子孫繁栄も忘れてません。胴・面は付けさせませんでした。空乱だからです。空乱では相手を倒す・沈黙させるような攻撃は不要です。また今回は量がテーマです。だから必要なかったのです。今回のテーマには必要なかったのです。
※実際に防具を付けているが故に、時には余計に危険が増すことがあります。
それは防具を付けていることで、力加減に対する認識が甘くなってしまうからです。防具はあくまでも補助的な道具です。防備が完璧になったわけでは無いといでしょう。防具を付けていてもダメージはあります。過信は禁物です。
またすべての攻撃を適切に防具着用部位にヒットさせれるわけではない点も忘れてはいけません。世の中には防具を付けて乱捕りをするが、「あえて防具意外を適切に攻撃する」というものもあります。実は避けて虚攻める。むむむ、正しい。(;´Д`) |
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D慣れている者が多かった
これは最も重要な点です。今回は乱捕り経験が豊富な拳士が大半でした。乱捕り稽古でいい攻撃もらってムキになるような拳士はいなかったと認識しています。乱捕りは勝負では無い、お互いが上達するための稽古の一つ。これが丸廉が明確にあげている乱捕り稽古への姿勢です。すごく当たり前のことですが。
で、これは剣道で言われている言葉らしいです。私はとてもすばらしいと思いました。乱捕りを行うとき、この言葉を思い出してほしい。この言葉を読めば、乱捕りが勝負たどいうイタイ考えは浮かばないと思います。乱捕りをする時はこの精神をお忘れなく。(^-^)
打ってありがとう。打たれてありがとう。
●どのように説明していくべきか? 課題です
今回は稽古としての質、楽しさ、達成感、怪我の少なさ、そして評判の良さから、すごく大成功したという実感があるのです。これは今後丸廉の乱捕り稽古の軸となるのではないかと実感しました。実際に今後は3.4回に一度は行っていきたいと思います。
「丸廉開創の動機と目的」では『6。乱捕り稽古指導の方法、門下生への説明方法などを画策する。』という目的を掲げている。もっとスマートにこのような稽古が行えるように説明方法などを整備していきたいと思います。
※掲示板より
最近棒やミットなどの練習量を増やしたところ、やってる内容はシンプルなのにこれほど多岐にわたって発見があるものなのかと思い知りました。皆さんにもこういうのを実感してほしいのです。初級者こそ参坐していただきたいものです。ほんとな〜んも考えずにやったとして、「あれっ!?」と思うことがあったりするのです。な〜んも考えていないのも、程度問題でござるが、まぁあえて「質より量」というくらいだしこれくらいの軽い気持ちで空乱に参加していただくとよいかと思います。一度こういう量から来るものを体験とすると、日々の稽古がより楽しくなりますし、こういう経験は一つ二つの技術よりも、長く拳法をする上では最も大切なものの一つだと思います。
内容的には、初級者から上級者までレベルを選ばないいい練習法だと思われ。
最後は全員で作務!!
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