突天三と蹴天三を活用し、法形演練に相手を見るよ要素と判断する要素を加える稽古法です。多くの法形演練に活用できる、法形演練を真に生かす練習法です。これをやるためにこれまで数多くの法形を時間を掛けて学んでいるといるといえます。
突天三:上段順突→中段逆突→上段順突
蹴天三:上段順突→中段逆突→中段廻蹴
突天三・蹴天三。この二つの法形は共に三連撃でありながらタイミング的には「1・2、3」という風に練習されています。ではこの「2」と「3」の間は何でしょう?これは攻者が守者の「隙」観る・探す、サーチをする時間であると言えます。『守者はこの「間」で守者の「隙」を探し、3撃目の攻撃を選択します。』
稽古を重ねこの時間は短縮されなくてはなりません。より短時間に、最終的には「瞬時」に隙を見つけ加撃する事を目標としています。また守者側は攻者の攻撃に応じ、より早くより適切な防御、反撃を行えるように意識する必要があります。
この「隙」を探し、そこに加撃する練習は全ての法形演練に有効かつ重要なものです。これを習得するためには何が必要でしょうか?そう、お互いに相手をよく観る、観察する事です。法形は単なるパターン学習に終わってはいけません。では実際に突天三と蹴天三を例にやってみましょう。
|
今回は攻撃箇所(正確な突蹴)・間合いに特に注意して下さい。 |
|
突天三・蹴天三を混ぜて行う。つまり三撃目がFREE、上段順突or中段廻蹴とします。 |
|
攻者から見て守者の間合いが、 「突」では遠いと感じられたときは「蹴」につなげる。 |
|
攻撃すべき適切な箇所とは「あたる可能性の高い、隙のあるところ」のことをいいます。 |
|
中段突は打払受で受けることが可能です。中段を突かれた場合、守者の動作はほぼ天地拳第一系の受と同じになりますね。 |
|
「ステップ1」+三撃目の選択に上段廻蹴・蹴上を加える。 |
|
分岐が多くなるにつれて、動作が乱雑に成りがちです。 |
|
急がず確実に各ステップをこなし、徐々に段階を上げていくことが大切です。 |
守者はすべてのステップにおいて、適切な受とスムーズな反撃を心掛けてください。適切な受もまたサーチにより可能になるでしょう。攻者は当然イジワルしてはしてはいけません、愛のある攻撃を!! 今回は二つの天王拳を素材に簡略化して話を進めましたが、他の法形においても各々の動作の意味を着実に学び、そして自らも考え、それらの自由度を広げていくことで、学んだ法形はより活きてくることがお解かりいただけると思います。
※「蹴天三」の三撃目については、廻蹴をスタンダードとする支部、蹴上をスタンダードとする支部様々あるようですね。私も今回初めて知りました(私のところは中段廻)。ままステップが進むにつれて手数を増やしていけということが言いたいことなので、その辺は柔軟にお願いしまふ。
(615期生)
|