トップ > コラム&ノート > 法形とは何だろう? > 連反攻について

  連反攻は拳法の修行においてとても重要です。
  連反攻自体が科目表に登場するのは二級科目からですが、受身練習でも連反攻を三級科目で行うことを考えれば、多くの拳士は白帯のときから連反攻を始めていると言えます。連反攻は何故大切なのでしょうか?



  まず連反攻を行うときに気をつけることをいくつか挙げてみます。と言ってもこれらは連反攻に限ったことではありません。それは相手との間合い、自分の体勢、適切な攻撃です。すべて当身の五要素の内ですね。

●相手との間合い
  これは主に遠い相手に対して「まったく届かない攻撃」をすることが無い様に、と言う事です。結果として攻撃が届かないということもありますが、元々届かない間合いでいい加減な連攻を出している拳士を見受けます。言われたから、決められてるから? 突蹴しているだけという場面を見かけることがあります。
  これでは練習になりまりません。自分のみならず相対者の練習妨げています。間合いが遠くても当てれるように足を使って間合いを調節しましょう。結局これは、相手を、そして自分を観ていないのです。
【関連・参考】痛いということ
  また攻者(連反攻される側)にも意識することがあります。退り過ぎないということです。大きく下がって連攻を避けることも一つの手段ですが、こればかりでは練習になりません。勇気を持って相手の自由攻撃に対して受けや捌き等で対応してみましょう。


●自分の体勢
  これは連攻を行ううえでの話です。
  まず、法形の規定された動作の後に自分がちゃんと
随意に動ける(自在)のかということです。法形の反撃を終えた時点で大きく体勢が崩れていては連反攻には移れません。例えば「天王拳系では蹴り返し後にも前に出れるのか否か」が分かり易い例として挙げられます。
  そして、連反攻自体に連攻できているか、つまり複数回の攻撃として出せるかどうかも大切です。少林寺拳法は飛燕と謳われたように多撃必到が一つの特徴です。一撃目で止まってしまうようなことのないよう、体勢・姿勢に注意しませう。スムーズな連攻を続けられるように留意してください。


●適切な攻撃をする
  つまり空いてるところを探して(観)、狙って撃てということですね。無造作に撃つのではなく考えて攻める事も普段からやっておきましょう。当然適切に攻撃するには、間合いや体勢が大切になってきますね。虚実。




■心を残す、気持ちを切らない
  まず先に技術的なことを上で書きました。しかし連反攻に最も大切なものは技術面だけではなくむしろ精神面、つまり
残心、これです。
  • 相手が近い間合いの中にまだ相手がいるのに構えを崩す。
  • 中途半端な連反攻で済ましてしまう。
  • 連反攻しない。
  これらはすべて、残心を知らないから起こる事です。残心とは何でしょうか、教範(五輪書からも引用)には以下のようにあります。

残心について
  残心とは、常に心を残して置くと云うことである。実戦の場合は勿論のこと、法形演武の終了後といえども常に心を残しておき、相手の不意打を受けぬよう心がけるべきである。
  即ち自分では十二分に相手を制したと思っても、実はそれが十分でない場合もあり、或いは、相手の策略にかけられて、倒れたと見せながらこちらに油断をさせ、不意の反撃をうける場合もある。或いは相手に思わぬ伏兵が用意されている場合もないとは云えないので、どのような場合に於ても、次の用意に備えて、体の構えだけでなく、心を残して之に備えることを忘れてはならぬと先人は訓えているのである。
  従って平常の練習や法形演武の時に於ても、常時この事を意識し、終った後の、心構えと体の備えが出来ていなくてはならない。初心の頃はともすると、技のかかりの睡だけは気が入っているけれども、次へかかる間のもち方や、技法のつなぎのおりに、残心を忘れるものであるから特に注意し、意識せずして残心が出来るように習慣づける訓練が必要である。

『其儀に於ては我俄かにかはりたる心に成て敵の心をたやし、底よりまくる心に敵のなる処を見る事専なり、此底を抜く事太刀にてもぬき、又身にてもぬき、心にてもぬく所有り、一道にはわきまへべからず。底より崩れたるは我心のこすに及ばず、さなきときは残す心なり、残す心あれば敵崩れがたき事也。』
そのような時には、こちらは素早く変わった心持で、敵の気力をくじくき、敵を心底から負けた状態にしてしまうことを見届けることが肝要である。こうして「底をぬく」ことは、太刀によっても、体によっても、また心によっても、ぬく場合があり、一概にわきまえることができない。敵が心底から崩れてしまった場合には、こちらも心を残しておく必要はないが、そうでない時には心を残しておかねばならぬ。敵も心を残していれば、なかなか崩れないものである。(宮本武蔵の五輪書 より)

  残心とは、開放系である「護身術」としての拳法には事の外肝要な事ではないでしょうか。
  • 連反攻に対して受・運歩をしない奴 → かまわん、入れたれ。( ゚Д゚)ぼーとするな、攻撃されてんるんやぞ!!
  • 横転より起き上がりがやたらのんびりで遅い奴。 → ええぃかまわん、頭蹴ったれ。(# ゚Д゚)チェストォー
  • 連反攻しない奴。 → おいっ攻者、もう一回攻め込め。殴れ!!ヽ(`Д´)ノ教育的指導じゃ!!

  もちろん、残心=攻撃動作だけではありません。稽古の時は積極的に連攻するべきですが、「攻め込めない」「危険!!」と感じたなら連攻無しで間合いを切ることも大切です。これも残心を知るが故の行為です。むしろこのあたりの勘を養うために、平時から連反攻、そして乱捕りは行われなければならないものではないでしょうか。
  結局のところ護身術を学んで身に着けるべきものは、技術以上に護身に対する思慮だと思います。緊張感の無い法形演練だとこれらはまったく実に付きません。

  以前実家近くの(関西の)道院に出稽古いかせていただいたとき、そこでは残心に対してとても厳しく学ばしていただきました。その道院では乱捕りを現在ではあまりしていないそうですが、連反攻に対しては拘りがあり、うまかったです(強かった)。乱捕りしてない? しかし実際に「護身」としても充分な応酬が可能と感じました!! 切れない緊張感、鋭い連攻、そして自分だけ連攻してさっさっと間合いを切る。
(;゜〇゜)
  
連反攻が締まってくると法形の方も自然と緊張感が増してきます。気持ちいのいい緊張感でした。そして、私が残心はなんて大切なのだろうと知ったのはこの時でした。


  蛇足ですが、弓道の友人と話していて、「残身」という言葉を聞きましたが、『体の構えだけでなく、心を残して之に備えることを忘れてはならぬ』とあるように、少林寺拳法でも残心=残身かもしれません。あと最近技術以上にほんと精神面が気になってー
  • 疲れても最後までやり抜く気持ち。
  • 痛くても立ち向かう気持ち。
  • 間合い内では残心できる気持ち。
  • とどめ刺すまで追いかける気持ち。



 これらを踏まえて、残心を活かせる技術面のお話。

連反攻に連反攻
  慣れてきた場合は、連反攻に対してさらに連反攻をつけましょう。連反攻をする場合、守者の頭には防御の発想が大抵ぶっ飛んでいる気がします。つまり相手に対して不用意に入っていくことになります。この意識はとても危険です。これを失くす為に、攻者は守者に対して連反攻させます。始めは、隙があればデコタッチ・腹部に開手くらいから始めればいいでしょう。さらに慣れてきたら、通常の連反攻をしてもらえればいい練習になるのではないでしょうか。
  この連反攻を返すと法形に似た形となることが多いでしょう。このような、連反攻の押収、法形の押収が二回三回続くとそれはもう立派な
演武の1パラとなります。そしてこのような自由攻防と緊張感はまさしく乱捕りそのものでもあります。法形を乱捕りと演武に繋ぐには兎にも角にも連反攻なんですよ!! 【関連・参考】PW04のネタ



  あと、連反攻は自由です。法形ごとに決まっているものではありません。連反攻には平時はバリエーションを持たせましょう。いろいろと試す。それは動作のバリエーションを試すことであったり、相手と自分の相対的な間合い・体勢で試す攻撃の優劣を試すことでもあるります。これらの過程で相手を視る習慣が付き、また自分の得意不得意もわかってきます。不得意動作は要練習とっ。
※連反攻を統一している所もあるらしいです。

  自分の連反攻にルールを設けるのもいいかもしれません。例えば私の場合、いつも蹴ばかりに偏重してしまい、足を使わなくなってきました。ので、突だけで連反攻するよう自分にルールを決めて心掛ければ運歩がよくなるのでは!?と思って…最近やってます。



まとめ題が思いつかないから「まとめ」とでもしておこう
  連反攻をしっかりすれば、別に「乱捕り・乱捕り」と騒ぐ必要なし!! 連反攻は法形と乱捕り稽古、さらには演武修練までをスムーズに繋ぐためにはとても重要なものです。伊達に級拳士科目表から入っているわけではないんですよ!!
  「言われなくても初段になったら連反攻付けろ!!」て聞くけど、、、「
( ゚Д゚)ハァ? 初段になったら???」と思ってしまいますが何か? もう一度言いますが、残心を心がけていれば、連反攻は自然に出るものなんです。少林寺拳法は護身術なんですぜ。なのに護身術黒帯が稽古中に連反攻しないてどういうことよ? (;´Д`)


  「乱捕り稽古をさせてもらえないんだ、うちの道院では!!」 とか嘆いているなら連反攻強度アップすれば一発解決でしょう!?
連反攻は自由攻防そのものではないですか。乱捕り稽古していると不機嫌になる指導者がいるそうですが、さすがに連反攻してて怒る(いかる)人はいない、、、よな!? うーん、簡単。余裕だ。



3625 名前: 615期生 投稿日: 2004/06/28(月) 00:24
皆さんの連反攻感を簡単にでも聞かせていただくとありがたく。
参考にしまーす。

"0),,゚Д゚)"

3626 名前: 初段 投稿日: 2004/06/28(月) 00:37
やっぱり上中蹴りが多いかな。。。バリエーションを増やし方がいいような気もするがなかなかできてませんねぇ

3627 名前: でんべえ 投稿日: 2004/06/28(月) 01:32
うちの道場はちょっと特殊で、上中→(体を入れ替えて)逆突蹴の四連攻です。
他の道院の経験者の方はちょっと戸惑うみたいです。(とっしぃさんも最初はちょっと戸惑ってました)

3628 名前: でんべえ 投稿日: 2004/06/28(月) 01:40
ちなみに上記のコンビネーションで攻めると、上中蹴にしか慣れていない人は、4番目の蹴りが反対側から蹴られるのでおもしろいように入ります。

その代わり、こちらも上中蹴の三連攻に慣れていないので最後の蹴りを払受蹴か下段返で返す羽目になりますが。

3629 名前: アップル 投稿日: 2004/06/28(月) 08:57
>上中蹴
これってみなさん結構、「上中、中段廻蹴」じゃないですか?
私はちょっとなれてきた茶帯あたりには「上中、中段直蹴」をまぜてあげてます。
かなりの確率で入りますよん。

3630 名前: 138B 投稿日: 2004/06/28(月) 12:28
>>3629
>「上中、中段直蹴」をまぜてあげてます。
そっから反撃できれば蹴天三の練習にもなります。黒帯には時々やらせてますよ。
あと、上中、上から対天一を始めるとか・・・

3631 名前: ワタ 投稿日: 2004/06/28(月) 12:45
>3627
私の通っていた道院でも、そのパターンがありました。この動きに慣れとくと良いですよね。
まっすぐ下がらないように差込んでの逆突きのときに、横に捌くようにするのがポイントかと(その後の蹴り返しのため)。


1857 名前: hiro 投稿日: 2004/06/27(日) 22:48
科目表の二級科目を見てたら全ての剛法に連反攻があるようですが、自分は燕返と千鳥返の連反攻くらいしか知りません。その他の技(転身蹴、内受蹴、横転身蹴、半転身蹴、十字受蹴)の連反攻を教えてもらえますか?

1858 名前: アップル 投稿日: 2004/06/27(日) 23:04
hiroさん!
連反攻はきまってません。自由ですよん!
やりやすいように連攻つけたらいいっす!そこが自由でいいところ。
初めは決めてやってもいいんでしょうけどね。
基本的に決まりなんてありません。

1859 名前: でんべえ 投稿日: 2004/06/27(日) 23:16
>連反攻はきまってません。自由ですよん!
>やりやすいように連攻つけたらいいっす!そこが自由でいいところ。
>初めは決めてやってもいいんでしょうけどね。

ポピュラーなのは上中蹴の三連攻かな?
逆突→蹴の二連もありますし、私はたまに上中飛連蹴なんてのもやりますが。
大抵は道場によって「連反攻はこうしよう」みたいなのがあると思いますが、先生に聞いてみました?

1861 名前: 桜楽卍 投稿日: 2004/06/28(月) 10:43
連反攻、道場内でお決まりのパターンがあるのでそれが染み付いてまする。
上・中・蹴で最後に相手からも蹴を受けて終わるです。蹴った直後に蹴を受ける(三方受の形になる)事で、蹴り足を鶴立にもどす癖がついて良♪

1862 名前: 138B 投稿日: 2004/06/28(月) 12:14
>>1857
基本的に空いてるところを攻めれば良しですよ。
上、中、上と上に攻めて中段がおろそかになった所を蹴りとか、当然攻撃がとぎれてこちらに空きがあれば逆に攻めて来られます。4連攻が終わってほっとしてると、良く師匠に裏拳打ち込まれました。間合いを切らずにその場に留まっていたからですが、なかなか気が付かなかった。簡単に言うと、法形が終わったら乱捕りを始めればよろしい。

1863 名前: ワタ 投稿日: 2004/06/28(月) 12:39
>1857
学生時代は何でもありでやってましたね。ただ何でもありだとお互いかなり緊張状態となるので現実的には出せても2連攻くらいまでが良いとこだったかなと。

その後、道院に転籍した際には、完全にパターンを決めてました。
初級者にはパターンを決めたのから入った方が良いと思いますが、ある程度慣れてきたら自分なりに攻撃を出せるように意識すべきと思います。

連反攻何でもありだと、守者・攻者ともに技の入りから意識するので良い意味で緊張状態になります(意識しすぎると攻者の攻撃が浅くなったり)。こういった雰囲気の中できちんと技を出せるように稽古することが重要と感じます。
そうすれば、法形だけでもそこそこ護身としては使えるのではないかと思います。

1864 名前: hiro 投稿日: 2004/06/28(月) 17:32
>>1858-1863
ありがとうございます!
そうだったのかー!連反攻って決まったことをやるのだとばっかり思ってましたよ!
監督は土曜の練習に来てくださるのでその時に聞いてみます。
今日はOBの人が見てくださるようなのでちょうど良いので聞いてみます。
でも燕返だったら手刀→中段の後に差し替えて中段→蹴りってやりやすいけど反撃か蹴りで終わる場合って連反攻が出来るのかなあ・・・。とりあえず今日やってみよう。
ところで法形が終わってから乱捕りって凄い怖いくないっすか?
前に内受突が終わってから乱捕りっていうのをやったことあるんですけど凄い近い間合いから始まるから超怖かったです!!!

1865 名前: hiro 投稿日: 2004/06/28(月) 17:32
しかし怖いと言ってたら始まりませんね。頑張るぞー!!!!

1866 名前: わんわん 投稿日: 2004/06/28(月) 18:19
うちの大学は、桜卍さんと同じですね。最後は、蹴返しまでで。

昇段試験は固定していたほうがいいですね。
普段の練習では、上中までは固定で、あとは自由にするのがいいかも・・

1867 名前: 唖戯 投稿日: 2004/06/28(月) 22:46
自分の場合は蹴りの方が得意なんで、何も考えずに連反攻すると蹴りばっかになっちゃいます。
大学の時はやはり上中蹴で蹴り返しでしたね。

>反撃か蹴りで終わる場合って連反攻が出来るのかなあ・・・。
反撃ってのはよく分からないけど、蹴りで終わる場合はその足で差し込んで上中とかできるでしょ?


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