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 まぁ行ったことは、法形の組み合わせのU.時系列なんです。オフ会で実際にやったのは今回が初めてでした。そのまんまコピペしときますね。法形の組み合わせにはその他のことも書いてあるのでぜひ読んで下さい。

U.時系列法形から生まれる乱捕りと演武の中間。これが、乱捕りのような演武、演武のような乱捕り。
 複数の法形を時系列で繋げて行います。つまり、上受突→(連反攻)→内受突といった具合です。
 地味・単純ですが、繋げるだけでもかなり集中力が増します。そして少し長めの攻防を行うことで、単発的な動作に自然と流れがでてきます。流れ、繋ぎの箇所は法形には既定されていない部分ですから、当然自分の頭で考え体に聞いて行わなければなりません。こうすることで法形の前後も意識するようになります。二つ、三つとつなげる場合、攻守が一回一回入れ替わってもよいのですが、まずは、攻守を入換えずやってみて下さい。
 これも別に当たり前のことで、高段者の試験科目では時系列につながった項目が多数見られます。昔は練習でもよくしていたとのこと。この時系列につなげた延長に演武があることは容易に想像が付きます。

 組み合わせは、どんなものでもいけるはずです。昨今の演武では、まず流れありきで構成が組まれるので、あえて不自然?な流れを入れることもオススメします。自由攻防では、そういった一見不自然に見える動作で満ちています。しかし現実にはそのようなものが沢山あります。世の中は一見乱雑です。これも研究してみましょう。「あえて不自然な流れをいれる」というのは不自然かも知れません。選んだ組み合わせが多少難しくてもやってみる、とも言えるでしょうか。
 技の流れを考えるとき体勢的に無理なのか、ただ自分の練度の関係で無理なのか、これも考える必要があります。稽古として考えるならば守者の攻防はより自然なものを求めるべきですが、攻者の攻撃については自然な流れのものと併せて乱雑さを持たせることも大切だと思います。
 実際の練習では、三つほどの法形を指定し、
  (攻者)→(守者)→(攻者)
  (守者)→(攻者)→(守者)
と攻守を入換えた方法をオススメします。

現科目表より、
四段試験の組演武
(1)下段返より飛連蹴
(5)中段返より内受突
(9)開身突より押閂投   
五段試験の組演武
(1)開身突より閂内天秤
(2)半月蹴より天秤投
(9)蹴天三より虎倒・伏虎地二  


 上記は実際にやって頂かなければわかりませんし、たぶんやればすぐに解ると思うのですが、法形と乱捕りと演武の中間的な稽古です。今回は級拳士科目の剛法のみで行いました。なおここで言う「演武」とは、「修練としての演武」を指します。
 このような稽古を行う場合に大切なことは、左右順逆くらいはスルッと行えることが望ましい。というか必要性に迫られますし、これ自体を練るための稽古にもなるでしょう。

 競技演武の構成を決める際によく聞く呪文に「この構成には無理がある」…(a)です。この時に注意さねばならないのではないでしょうか。何故無理だったのかと。
  • 構成上、無理がある。…(B)
  • 身体能力上、無理がある。…(C)
人によって支部によっていろいろな(B)(C)の割合があるかと思いますが、基本的には(C)が忘れられているとような気がします。

 今回行った時系列の組み合わせは、何を組み合わせるかは首座の615期生が科目表をみながらテキトーに決めました。いちいち繋がり易いとか繋がり難いなんてことは考慮しませんでした。無慈悲・無頓着な首座の指示に皆さんよくお付き合いくださいました。それでも繋がるものなんです。「ダメなら連反攻でもかまして下さい!!」と言うときましたが何とかなっていたように思います。ここで大切なのは、左右順逆を個々の法形には指定しないことです。左右順逆、さらに表裏を自由におこなってよいのなら、繋がります、十分に。


■この構成には無理がある。
 競技演武を構成する際、(C)の理由で「無理がある」となってる場合をよく見ます。以前こんな光景を見かけました。

 演武大会の練習中です。ある組が、先週決めた構成メモを見ながら悩んでいます。
 「あれ!? ここの構成無理があるよね」
  「先週はなんでこうなったんだっけ?」            ジー(゚д|←615
 我慢できなくなった私が突っ込む。
 615「じゃ片方やるからメモ通り攻撃してみてー」 フンッフンッハッホッ
 615「あぁ、ここの屈身蹴を普段(試験用)の左右逆でやれば、攻者も守者も自然に…いけるんでは?と思いますが。 別に無理な構成じゃないぞぃ」
 
 「左右逆だったのかw もう先週のことすら忘れてた。」

 こんな感じのやり取りの経験はありませんか? この場合は左右逆にした場合に単に体が慣れていなかった(練れていなかった)のですが、この時そのまま、「この構成はおかしい」とされる場合が少なからずあるのでは無いでしょうか。
 また演武の構成を決める際に、守者にとっても「無理の無い構成」を選らんではいないでしょうか。攻者が無理なくサクサク攻撃するのは分かります。しかし何故守者にまで対処しやすい攻撃を攻者が考慮するのか、こういう場合はありませんか?

 これ結局は自分の中で自分にルール・制約を設けてしまっているのではないかと思います。自分で自分の世界を狭くしているのではないでしょうか。拳法に限らずこのようなことは日常生活でもあることです。「こんな構成はありえない」というルールを頭でのみ理解してしまう危険さを感じませんか?


 実際の自由攻防では、様々な体勢から変な攻撃が来るものです。「小説よりも奇なり」じゃないですが、自由攻防とは本当に乱雑です。実際の攻撃では、

  「なんでその体勢で、そんな突が!!」(;´Д`)
  「まさかそんなタイミングで蹴がくるとは!!」(;゜〇゜)

なんてのはザラです。むしろこんなんばっかりとも言えるかも知れません。【関連・参考】当身の五要素 もしこんな法形があれば
 とりあえず、修練時はちょっとやりにくいくらいがちょうどよいのではないかと思います。法形に幅を持たせるという考えです。
 時系列に並べると、一つ一つの法形をやる場合と違い、2,3個目の開始時の布陣がこれまでと違うかもしれません。これに伴い、法形自体にもある程度の応用が必要になります。攻者は直突したつもりがこれまでに無い角度でくるかもしれません。守者の反撃も、直突よりも振突のほうが自然に行えるかもしれません。これを乱れと見るか幅と見るかはあなた次第です。


実際に行ったこと
 いちよ今回は、「基本から法形の間」も意識してみました。壁がないようにしようと、連続に線形に。どこからが基本(と言われるネタ)で、どこからが法形(と言われる範囲)なのか、これを濁してみました。
 結局これは、基本と言われるものの幅を広げ、法形の一歩手前と言わず法形にまで食い込む基本が必要なのだと思います。これらの詳細は基本稽古に今後もアップして行きたいと思いますので略。

 今回、実際に行ったことはは以下。(抜けてるかもw)
  • 準備運動
  • テーマ開始(変わったことはしません。あえて平凡なことをします)
    • 目打
    • 二方向の目打
    • 振子突(直)
    • 振子突(振)
    • 振子突(鈎)
    • 蹴上
    • 蹴込
    • 差込順蹴(左右)
       順蹴以外の順突・逆突・逆蹴もできる体勢を保ちながら差し込み足。順蹴り蹴しかできない体勢ではしない。
    • 順突・逆蹴・逆突・順蹴を一呼称で(左右)
    • 上受
    • 内受
    • 下受
    • 払受
    • 上半身グニャグニャ受け(単・相対)
    • 四段受
    • 運歩
      • 前後左右、蟹足・十字足・蜘蛛足各種
      • 運歩 + 内受
      • 運歩 + 内受 + 突
    • 内受突 + 外受突
    • 外受突 + 打上受突
    • 三級剛法 とりあえず流す
    • 三級剛法だけで時系列の法形組み合わせ(上記)

●温故知新
 今回行った法形までの基本や法形からの練習(上記の時系列のこと)は、どれもこれも過去に少林寺拳法で行われていたネタのはずなのです。だから温故知新なわけなんですが。
 法形に食い込む基本は古い先生から教えられたものです。いずれは丸廉サイトにもっとしっかりアーカイブしていきたい思っていますが、これがとても重要です。ただ、突蹴受捌を基本で行っているから、これらのパーツからなる法形は基本と関連があると言うのは乱暴です。もっとパーツパーツを段階的に結びつける基本が過去にあったことを私は知りました。これは私の支部でも武専でもまったく知れなかった内容でした。何故だろう?
 次に法形の組み合わせ「時系列」ですが、これも現行の科目表からパクッてきたものです。四段の試験科目などに二つの法形を時系列に並べた科目が見られます。単純な発想です。ただ繋げるだけで、集中力が増し、流れを考えざるをえず、そして左右順逆も必要になる。私はこの「必要になる」というのが好きです。必要性を知識として教えるのではなく、自然に必要になる、そうなるシステムが大切では無いでしょうか。【関連・参考】用美一如

 結局今回行った、一連の流れは本来は少林寺拳法に存在したことをやっただけて、別段私のアイデアで行ったものは何もないと考えています。決して新しいことをしたわけではありません。現在も各地で行われているところも多数あるはずです。これはとても大切なことで、率直な感想として「う〜む、少林寺よくできとるのぉ(´・ω・`)」とまたここに来るわけです。これは個々の技のことではなく、修練のシステムのがよくできてい「た」と感じたということです。

 どうして、現在は別個バラバラに法形を取り出してしまったのでしょう? 武専に行っても本山に行っても、それぞれの法形を淡々と覚えるだけで、技の修練としてはいいかもしれませんが、修練のシステムとして限界を感じます、私は。体の使い方が同じとか同系列の技とかそういうネタもあるかと思いますが、どれもこれも技止まりです。【関連・参考】技と術
 個々の法形をバラバラにし、また基本・乱捕り・演武から法形を切り離し…システムから切り離した姿、これが現在の法形修練の姿に見えます。これでよいのでしょうか。よくわかんないのでまま要研究ですます。【関連・参考】十字受蹴と運歩

●「乱捕りのような演武、演武のよう乱捕り」
 「乱捕りのような演武、演武のよう乱捕り」と言う言葉がありますが、これがけっこう厄介な言葉では無いかなと思います。むしろこの言葉が少林寺拳法を駄目にしたのではと思うこともあります。この言葉からは、それぞれ異なるものを擦り合わせていくという修練システムのイメージが沸きますがいかがでしょう。乱捕りを演武のように・演武を乱捕りのように、これは実際の状態を顕すとは思うのですが、決して修練システムのことを言っているわけでは無いと思うのです。
 むしろ、乱捕りも演武も同根から生まれるものであり、別々の二つのものでないのではないかと考えたからです。そして、その「同根」て何よ、といえば、ええ、まま、うん。実際今回のような時系列をすると同根だと実感でき、「乱捕りのような演武、演武のよう乱捕り」と言う言葉をそのまま体感できると思います。
 まま、これはただの持論です。何が正解と言いたいわけではありません。皆さんもぜひご自身で考えて下さい。


■やってみて
級拳士科目だけで
 十分に楽しい。やっぱ級拳士科目て偉大ね。よく「級拳士かもだけでも左右順逆表裏できれば大丈夫v( ̄Д ̄)v」という話を聞きますが、今回ますますこれを実感。

●時間
 3-4分で次の組み合わせをする。一つの組み合わせを黙々とやるのもいいのですが、どんどん切り替えて行くと、乱捕り風味が増すような気がします。この時間間隔を変えることで、忙しい乱捕り的な要素と、頭や体を練る演武的な要素の加減ができる気がしました。(未)

●覚えられん。
 三つの組み合わせが覚えられん。。。首座しとる私も途中で忘れる。
 「アホかっ!!」と突っ込まれそうですが、次々この「三つ」の組み合わせを変えるので数回繰り返すと混乱するのです。そんな場合は、黒板などに書くといいかもしれません。言葉で何度も繰り返すと、互いに混乱しましたw

 古い先生がよく行われる基本項目に、こんなのがあります。(てか皆やるよね)
  「内受突して下受順退、右半転換して上受蹴、上中二連」とか
  「払受して逆蹴、上中、左半転身して飛二連」とか
  「順蹴逆蹴、上受退・蹴上全転換、足刀蹴」とか

 これは様々な基本を連続してやっているわけですが、今になって考えてみると頭の体操にもなります。客座の側は最初はこなすだけでも大変であっぷあっぷです。これが一呼称毎に変わるのですから大変です。

 これのポイントは動作が頭と体にちゃんと入っているかだと思います。「下受退!!」と言われてから頭で考えて、「下受しながら退がって〜」とか考えていると、とても連続した動きはできません。耳から入った指示で脊髄反射!! するくらいの勢いで体が反応するように普段から様々な動作を練る必要があるということでしょう。ちなみにこれを首座する側も初めは大変です。言っている本人が初めは混乱します。ですがやっぱり「慣れる」そうですw

端から見ると、、、
 時系列の組み合わせを横から見ているとただの下手糞な演武にしか見えません、実際は。そんなもんだから、めげずにがんばって下さい。やってる本人たちは必死です!!


今回のネタは地味だけど大切な内容だと感じています。
ぜひ時系列の法形演練をお試し下さい。



今回は喋り過ぎたと思います。
すいません(-人-)


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200701
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