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総合・テーマ首座:ビスキュイ
部分首座:rusher(基本)

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  今回の趣旨は、トレーニングメニューの研究・提案ではなく、多様な動きが少林寺拳法の稽古に役立つのではないかという提案です。
  よって以下のメニュー・メモ書きは、これを用いて
練習を行うためのレジュメではありません。今回のテーマに対する理解を深めるための参考用です。テーマをご理解され多様な運動を実践しようと考えられた場合は、書店にて専門書が沢山出版されていますので、それらをお求め下さい。




以下黄色枠は当日に配布されたメモランダム

テーマ「体を動かそう:ゲーム感覚でトレーニング」 H17.4.16 第41回研究会 主座:ビスキュイ

 サイトの「次回のお知らせ」にも書きましたとおり,道院で少年部を指導していて子供達の運動能力がやや落ちてきているように感じています。冬に体を温めるために馬跳びとかケンケンとかをやらせたのですが,上手く出来ない子も結構いたりするのですね。あとこれは全体的な傾向として思うのですが,少林寺拳士は「武術的な動き」とか「力を使わない動き」と言ったワードには興味津々で反応するのですが,「体力」とか「筋力」とかのワードには余り興味を掻き立てられないような気がします。
 しかーし,やっぱり筋力・バランス感覚・瞬発力…などなどのいわゆる「身体能力」はあって困るものではないんですよね。特に若い頃というのは鍛えれば鍛えただけ体力がグングンとアップするということもありえますから,この時期に鍛えないのは勿体無い!年取ってから鍛えるのは結構大変です。特に少年期というのはこの時期に体をよく動かしていたかどうかで運動能力の発達にエラク差が出るという話もあるくらいに大事な時期だそうです。しかしまだ体が発達段階にある少年部にはあまり高負荷の運動はよろしくないようです。そして普段あまり体力系の運動をしていない拳士の皆さんも,いきなり激しい運動は当然のことながらチト無理です。そこで,飛んだり跳ねたり走ったり転がったりよじ登ったり取っ組みあったり…などなどを組み合わせて,遊び感覚で楽しくしかも道場で手軽に出来るトレーニングをご用意しました。特にターゲットとしては「運動が苦手な少年部拳士」を対象として考えて,楽しく遊びの延長で出来そうなものを中心に構成してみましたが,強度の設定を変えれば体力のある学生拳士からちょっと運動不足気味の中高年拳士まで対応できるように種目を考えて組んでみました。そして裏テーマとして「調整力」という言葉を仕込んでおります。

■ 調整力とは?
  体力の4大要素(筋力・持久力・柔軟性・調整力)の一つで,身体を素早く、スムーズに動かしたり、バランスを取ったりする力(平衡性・敏捷性・巧緻性)のこと。
  調整力は筋紡錘という筋肉の状態を脳に伝えるセンサーが正常に働いていることにより作用する。何かにつまずいたときに自分の手足がどんな状態かを身体が把握して身体全体でバランスを取るのも調整力の働き。姿勢の乱れや慢性的な運動不足,背骨の歪みや骨盤のずれによる体の歪みなどがある人は調整力が衰えるている可能性がある。 (参考「あるある大辞典」)

■ 調整力を高めるには
 神経の働きによって姿勢やバランスを制御し、体を機敏に巧みに動かす能力が調整力。これを高めるには、

  • 合図に反応して素早くダッシュや方向転換
  • ハードルトレーニングやラダートレーニング
  • 平均台運動
  • 倒立や回転を含めた運動

などがあげられる。特定の動作や運動種目にかたよることなく、多様な体の動きを行うことが重要。


■トレーニング種目紹介(名前はテキトーに付けますた・・・)

●柔軟系(+平衡系)
  • 二人組足上げ柔軟(前・横・後)
  • 二人組片足回し(内・外・膝)
  • 足指ジャンケンあっち向いてホイ(座位・立位)


●パワー系

  • 二人組その場持ち上げ(座位・立位)
  • 二人組持ち上げ向き変え移動

●敏捷系

  • 人間障害ジャンプ(長座・燕式)
  • 連続馬跳び(お尻側から跳ぶパターン)
  • 二人組サイドステップ(蟹足系・十字足系・反復横跳系・回転系)
  • 蹴りに対して受身で避ける:上・中・下・ランダム(前受身・大車輪・後受身)


●巧緻系

  • 握手を跨いで体の入れ替え(片手・両手)
  • シンクロスキップ(前・横・後・回転)
  • 手合わせ運歩(前後・左右)
  • 二人組み回転移動(向かい合わせ・背中と正面合わせ)
  • 前方転回練習(3人組)
  • 後方転回練習(3人組)→後方転回移動(二人組)(低→高)


●単独系

  • 四点支持転換
  • 四点支持反転移動
  • 安座起き上がり小法師
  • 足回し起き上がり
  • 飛足刀地上訓練
  • お尻歩き(前・後・左・右・回転)



体を動かそう〜身体の型

まずは参考ページ、未読の方はお読み下さい。>> 少林寺拳法とルール(格闘技と武道の違い)

  決まった動きだけではなく、今回行った内容のように様々な「動き」が出来るということはとても大切なことだと思います。ビスキュイさんは子供用に〜と書いていますが、実際は一般部だってもっともっとやるべきでしょう。(ビス氏は茶化して子供用と書いてるのではなく、最初は子供たちの為に作ったからこう書いてるのだと思う)

ビスキュイさんが、
>特定の動作や運動種目にかたよることなく、多様な体の動きを行うことが重要。
と仰ってますが、これですね。特定の動作のみではなく多様な「動き」が出来ること。これは開放系である少林寺拳法には必要不可欠なことではないでしょうか。自分の体なんだから随意に「様々な動き」くらいできるよという方もいらっしゃると思いますが、本当にそうでしょうかw

  かの三崎先生も『風格のある演武』という文章の中で以下のように書かれています。
  さて新しく入って練習を始めて見ると分るが、自分の手や足、自分の五体、我が五体であるから自由自在に動かすことが出来る筈であると思うのに、なかなか思うようにはならないものである。円滑融通無礙玄如神速思いのままに演武することなどはどうして容易に出来るものではない。
  練習をしていると次第に自分の身体が我がものであって、実は我がものでないのだと気がつく、そして我がものとするまでには、かなりの時間がかかるものである。我が手足、我が四肢五体でありながら修練工夫を積まなければ我が思いのままに動かぬと同様に、我が心も亦容易に我が思いのままにはならないものである。
  このような自分の身体への思いは誰もが入門直後から感じることではないでしょうか。私自信もこういった経験がありますし、現在私の道院の級拳士もよく言っています。「しようとは思うのですが、思ったとおりに体が動いていないんです」と。
  以前、昔の空手家の話で後ろ向きで木に登って体を鍛えたという話を聞いたことがあります。これを笑い話ととるかどうかは人それぞれだと思いますが、この空手家をこのような稽古に駆り立てたものは何だったのでしょうか。


身体の形
  以前にりょうさんが仰っていた言葉が印象的です。
「少林寺の拳士は体作りをしないからいつまで経っても技が出来ない。体が出来れば技は自然と出来る」(意訳)
  私も最近になってこの言葉を実感します。体が出来ていない状況で技の練習、形の反復ばかりでは身に付かないのではないかと思います。そして、武術の世界を見渡してみると日本の各流派や中国拳法の型の中にはこういった身体操作能力に対するアプローチがあちらこちらに見られます。
 昔、2ちゃんねるの書き込みに、「型というものには三種類ある。格闘の型・身体の型・思想の型」みたいな書き込みがありました。以下のイメージがつくでしょうか。
  • 格闘の型:戦うための技術習得に主眼を置いたものですね。
  • 身体の型:体を作るための技です。
  • 思想の型:わかりずらいですねw 思想は各人様々で全体としても揺らぎがありますからね。
                 わかりやすいのは中国拳法でみられる?動物を模した型とかでしょうか?(妄想)
  これらは決して別個なモノ・独立したモノではないと私は考えています。つまり、格闘専用の形、身体専用の形があるわけではなく、密度分布の差はあれ一つの型にそれぞれ三種類が混ざり合っているものだと思います。分類ばかりしていると怒られますがこのような分類を知っていると便利です。また型や演武を見るときに少し見方が変わります。
 少林寺拳法の稽古において法形演練をする際の多くは、「格闘の型」のみを意識して練習が行われているのではないでしょうか。思想の型というのはここでは割愛しますが、今回オフ会でビスキュイさんが行ったような調節力・身体操作能力を鍛えるための運動は、法形として少林寺拳法にもたくさんあります。特に黄色い科目表には沢山入っていると私は考えています。もう一度三級科目あたりを丁寧に復習してみると楽しいですよね。まさに「学びて時にこれを習う、亦た説ばしからずや。」ではないかと思います。こういった意識をもって法形演練をするのであれば、法形とは実に旨みのある技であると私は感じます。
  最近ある方からメールをいただきましたが、ちょうど内容が今回の話に関連する内容でしたので紹介させていただきます。。メールの中では、「作る」技と「使う」技という表現が使われていました。大変わかりよい表現だと感じます。そして少林寺拳法では「技を作る段階と技を使う段階の認識が無く、、、」と書かれていました。そして、以下のようにも仰っていました。「少林寺以外の他の場で「技を作り上げ」てきた多くの者が、技を比較的に自由に「使う」場として稽古をつんだのが、昔の少林寺でした。当時の猛者に他武道の経験者が多かったのはそういうことだと思います。」なるほど、一理ある!! と思いますね。
本日のポイント
  • 「身体の型」という概念を知ろう!!
  • 少林寺拳法ではこれがほとんど意識されていないという実情を認識しませう。
  • 積極的に様々な運動をして、身体を作ろう!!
2ちゃん Sさん パソコンでいうと うんたらかんたら
身体の形 作る練習 ハード作り 少林寺拳法にはこちらの意識が低い。
格闘の形 使う練習 ソフトウェア作り ハードのスペックが低いと、高機能ソフトウェアは動かない。



何に気をつければいいのか。┐(゚〜゚)┌
 上のほうに、カリキュラムの研究・提案が目的ではないと書きましたが、試せないものはすぐに忘れてしまうのでやっぱり少しだけ単純なネタを書いてみます。以下のことを意識して、天地拳や級拳士科目などをやってみてはいかがでしょうか。
  • 軸の存在を意識する。
  • 重心の位置を意識する。
  • 力を入れているところ・抜いているところを任意に切り替える。例えば、上虚下実もよいかと。
  • 各関節の状態を感じる。
  • 足の裏がどの程度接地しているとか。うんたらかんたら
まずは上のどれからでもよいのですが、キーワードの一片は「内観」「内感」です。他にも色々あります。人体はオカルトです。
  ここでは簡単に済ませますが、勘違いの起こらないように最後に一つ。自分のパフォーマンスを上げることが三徳のうちの一つ「健康増進」にはとても大切です。パフォーマンスをあげる方向性には、大まかに以下の二つがあります。
  • 絶対値をあげる:代表例 >> 筋トレ
  • 相対値をあげる:今回みたいなものも含めて色々してください。
北斗の拳で言う、「人は自分の力を30%しか使っていない」ていうのは、相対値のことですね。2ちゃんでは最近「力もテクニックのうち」という言葉が見られるようになりましたが、その通りです。

※今回ビスキュイさんが「調整力」と呼んだものは私が当サイト内で「身体操作能力」と書いているものとたぶん同義です。


プロトコール
テーマ「体を動かそう:ゲーム感覚でトレーニング」
 道院で少年部を指導していて思うんですが…子供達の運動能力がやや落ちてきているような気がします。馬跳びとかケンケンとかが出来ない子もいたりするのです。あとこれは全体的な傾向として思うのですが,少林寺拳士は「武術的な動き」とか「力を使わない動き」と言ったワードには興味津々で反応するのですが,「体力」とか「筋力」とかのワードには余り興味を掻き立てられないような気がします。
 しかーし,やっぱり筋力・バランス感覚・瞬発力…などなどのいわゆる「身体能力」はあって困るものではないんですよね。特に若い頃というのは鍛えれば鍛えただけ体力はグングン付いたりするんですから,この時期に鍛えないのは勿体無い!年取ってから鍛えるのは結構大変ですよ〜。まあ本来、トレーニングは各自が自分でやるものだとは思うのですが,一人ではどうしても挫けがち。だからせめて道場で励まし合いながら少しでも鍛えたいところですが,トレーニング器具を完備しているところはなかなか無いし,さりとて前々回の根性ネタのようなことは毎回はやってられません。学生さんなら大丈夫かもしれませんが,中高年の方にはチト苦しい。それにまだ体が発達段階にある少年部にはあまり高負荷の運動はよろしくないようです。そこで,飛んだり跳ねたり走ったり転がったりよじ登ったり取っ組みあったり…などなどを組み合わせて,遊び感覚で楽しくしかも道場で手軽に出来るトレーニングをご用意しました。たまにはスポーツ感覚で体を目一杯動かして,自分の体力を感じてみましょう!
 もちろん基本稽古や乱捕りもしっかりやりますよ〜。丸スパもOKよ♪

全体首座:ビスキュイ
部分首座:rusher (基本)

615期生の勝手なイメージ

【2005/03/27追記】
  こんな感じになりそうです。



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