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 ねぇねぇ、この写真何をしてると思う?
 まぁこの写真自体はやらせ、じゃなくて再現なんだけどw こういうしシチュエーションがあったのです、実際に。右の男が左の男の頭を殴ってるとこなんだなコレ。

 もしこんな法形があれば、私なら「こんな状態あるわけない」と叫んだかも、いや叫んだだろうと思うw でもあったんだなこういう状況。まぁ「あった」からってこんな稀な状況?を今後のために練習しよう(技として固定)とはまったく思わないけどさ、なんというか、乱捕り稽古とかしてるとホントいろんなことが起こるよね、というお話。小説より奇なりてやつ。

 この写真は、左の人が奥襟を掴んできた。掴まれちゃった。怖いよママン。というわけで如何にも右手で殴られそうになったので、彼の右手を掴む。次いで我の右肩と頭で彼の左手を挟んで(ちょっと不自由になる程度)〜我の右手が余ったのでちょうど前にあった頭をガシガシ殴ると。
 実に無様だけど…仕方ないぢゃん!! こんなシチュエーションになったんだから。

1.「こんな状況ありえねぇぇぇ」
 法形の演練をしていると「こんな状況ありえねぇぇぇ」という声をぼちぼち聞く。私も思うときがある。これはその技に至る経緯がわかんないだけなんだろな。
 三防受なんかは比較的こういうツッコミが多いのではないかと思う。しかし乱捕り稽古をしているとこういう受けになることはそこそこにある。私は上中には仁王受を使うけど上中を十字受で受ける習慣のある人ならたぶんなんぼでもありそう。上中は守ったが…下半身も怖い!! という状況だ。こんなとき誰でも膝はあがるよ。ほれほれ、子供だってチンチン蹴られそうになると、キャって膝上げるじゃない。あんな感じ。自然なの、コレ。
 ただ確かにあの法形自体はムズイよ。法形ではしっかり受動作せにゃいかんので、しっかり十字受、しっかり膝受、さらに受けた後に蹴返す。こりゃムズイ!! でもだからこそ練習しとくのだろう。

 柔法もそうだ、変な技があったらどういう状況を設定している練習問題なんだろうという考えるべし。振捨表投も乱捕りの中で任意にあの形を狙うとけっこうムズイ。でも攻撃が背投げみたいに来た場合、ウハッ、ピョン♪とやればなんかだーいぶ似た形になったことが何度もある罠。特に狙ったわけでもないのに。
 ただ一個人の経験だとなかなか全部のシチュエーションを体験できない、ということがあるのではないかなと思う。少林寺拳法はお互いに教えあうという傾向がやたら強い。弱点まで互いに教えあい互いに向上を目指す(はず)。しかも
組織がでかいので結果いろいろな知識が集まる。だから未体験のシチュエーションの技も、いっぱいあるんだろうな…と思う。こん状況のなかで知識が飽和を起こして実践が間に合わないという事が…あるんでないかな。ましてや現在、法形演練は所詮試験科目でしかないので、その域に至らないというのが実際では無いかなと邪推する。


2.「ものしり」だ。
 拳暦が伸びると少林寺拳法の拳士は「ものしり」になる。これが時々危ない。
●●の場合、腕を取りに行こうとは思わない。●で突きにく。
対構ならすでに●●なので●●のが楽ですが、開構なら●なければならず…

 これらは嘘では無い。でも現実ではあるかもよ〜。乱捕り稽古では、
  • まさかこんな状況で、こんな攻撃をw
  • なんでそんなことするのw
ということはよくあります。というか大半これ。別にみんなが名人じゃないですからね。そんなセオリーどおりばかりじゃないです当然。セオリーは大切です。総論で見ればこう習うことは正しい。がしかーし、各論は違う場合もあるということを心得ねば危険!! 真実だけど事実じゃないという状況がよくある。まぁこれは、作る稽古なのか使う稽古なのかにも寄ります。でも偶像崇拝しゃダメよ!! 乱捕り稽古をすれば真実は小説よりもウンコだからな。頭だけでは拳法は上手く回らんということだと思います。

 変な事が起こる、だから乱捕り稽古なんだな。乱れをね、かき集めて我が物とするの。乱れを取り除くんじゃなくて、飲み込む、捕り込むもんじゃないかな、乱捕りは。

 
【関連・参考】用美一如

ださっ


日馬富士(左)をはたき込みで破った豪栄道(2011)


掲示板・メールをいただきました。ありがとうございます。

5099 名前:名無しさん◆いらっしゃい投稿日:2007/10/18(木) 20:24:46
「もしこんな法形があれば」

あのシュチュエーションのとき、私は、モンキーフィリップで投げました。(w
「殴り合いこわーい」という拳士にあるまじき考えが起こったので(w。

5100 名前:ビスキュイ 投稿日:2007/10/18(木) 20:53:45
>>5099さん
「殴り合いこわーい」は拳士には結構ありますよ〜。私も近距離だと殴るより前に相手の手を掴もうとしちゃいますもん。そうすると意外に柔法の攻防が出現したりするのが面白かったり。

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