トップ > コラム&ノート > 基本稽古 > 基本ネタの作り方

動画無し


 少林寺拳法では昨今法形演練に焦点をおくあまり、乱捕りはもちろん基本稽古が不足しています。、、、ということはだいたい数年拳法をやっていればうすうす気がつくというか切実に感じるところだと思うのですが、いざ基本形やろうとするとなかなか基本のネタが思いつかない…ということが少なくないよう思います。
 そんな状況を踏まえ「基本稽古」のページを作ているわけですが、これらは日本各地・新旧いろんなところで教えられていただいたものやビスさんと考えたものです。これらはあくまでひとつの稽古であり、丸廉サイトにおいて掲載数がいくら増えても本質的な解決にはとうていならないように思います。
 私は、皆さんが各自で新しい稽古法をどんどん生み出せるようになっていただきたいのです。このページでは、基本稽古を考えるうえで基礎となる方向性をいくつか書いてみます。

 というアイコンを付けときます。これは基本ネタを考えるときの一つの指針となれる方向性を示します。

 ex)
  単独相対…あっいま単独でやったから、とりあえずこれを相対でやってみようっと。
  直線曲線…うぬ、とりあえず上段直突やったが、次が思いつかんからとりあえず上段振突でもやらせとこう。

 とかこんな感じで、これを変えればさらにネタを拡張できる、という注目要素を考えてみたいのです。



こんな稽古は無駄じゃないの?
 という疑問を抱く稽古もこのサイトにもあるし、きっと考え付いてしまうこともあるでしょう。これは私とビスさんの次のように考えています。拳法をやる者は身体操作について卓越している必要がある。だから、高い身体能力・身体操作能力には注目します。またそれを身に付ける必要があるので、基本稽古と一緒に準備体操で基礎作りもします。
 より有効な稽古、質を求めることは大切ですが、同時に幅広く量を行うことも大切だと思います。個人の好みに拠りますが、いろいろ行いましょう。
 またそんなことを実際言い出すと「やることが多すぎる!!」と突っ込みたくなるかもしれませんが、ある程度身に付いてくれば、、、それは多くない、むしろそうでもないものです。技術に寄っていくのか、技術が寄ってくるのかの境がそこにはあります。



(拡張法1)
 まず普段整列して行う基本は、
  • 単独相対
  • その場移動
とすることで単純に四倍のメニューが生まれます。とりあえず首座をしていてネタに困ったら相対とか移動で同じことして時間を稼いでおいて次のネタでも考えましょうw

 くれぐれもトークで時間を稼がないように。

次は@の「一人で・その場」内部のネタ作り方法。いろいろな分類ができるはずです。いくつか挙げてみましょう。


(拡張法2)
  • 攻技防技
 これは拡張法というか脳内での関連付けの話になりますが、上段直突の練習をしたから内受を続けてしようとか、上受の練習をしたから続けて手刀打の練習をしようなどといったことです。これで相対稽古にも繋がり易くなります(@←→A)。
  • 前進後退
 また攻撃・防御は移動稽古にも繋げる切欠になります。主に攻撃は前進、防御は後退の稽古に使いやすい場合が多いと思います。
 とりあえず以上二つは、平凡ではありますがそれゆえに重要な根幹となります。

(拡張法2.5)
 さて次に「攻撃防御」といった区別もあるでしょう。「攻技と攻防用器と」【A】攻技を参考にしてください。これは読本にも掲載されている内容ですので、道場で確認しながら行えます。
上段に対する攻撃についても、けっして一つではなくたくさんあるのですから、やりましょう!! それだけで基本ネタも増えます。
 受けについても少林寺拳法には29種が示されています。やるべし。


(拡張法3)
 基本稽古といっても「基本」といわれる項目もまたいくつもの要素から成り立っています。基本稽古のときに主に考えるべき項目は以下があります。
  1. 体構え
  2. 運歩法
  3. 体捌
  4. 防技
  5. 攻技
 拡張法3ではこれらの項目ひとつひとつについて見ていきます。

体構え 
白蓮八陣
義和九陣
 中段構と一字構からしか行っていないということはありませんか? 下受は八相構からばかりとか。「様々な動きをする」の基本は様々な構えから始めるが基本になると思います。いろいろできることが大切です
 以前、「〜構から下受」をしようとしたら、「下受は八相構からじゃないんですか」と聞かれる。少林寺拳法は護身術なわけですが…おまいは街中あるいてるときもずっと八相構で歩いているのか!! と問い詰ました。この場合、体が動く動かないという以前に頭が固い!! もちろんやり易い・やりにくいというのはあると思います。が練習のときはいろいろと。

 はいはい、当然左右でございます。【関連・参考】法形で遊ぼう
 拳法は左右両立で。安座の足組もたまには右足を上で。体がいがみますよ。ある先生から「開祖は右足上でもオケだった」という話を聞きました。私は、武専や大会など全体でやってる時は左足上ですが、折をみて右足上もやってます。【関連・参考】細かい諸作法について
(相対)
相対の時は占位も加えて。
運歩法えーとこれもいろいろありますが、まずは前後左右の四方向ですね。これをいろんな運歩法で行うわけですね。
前後左右 地味だけど大切。後述
前進千鳥
前進についですが、これについていかがお考えでしょう。
  1. 少林寺では、前進はすべて千鳥に入る。常識よね。
  2. いやいや少林寺は最短最速、つまり直進でしょ。
 さてあなたはどちらかな。私はね…また両方であります。普通は攻者のときは直線で、守者のときは千鳥足的にするとこが多いです。場合によります。逆にする時もありますが、普通はこうします。千鳥足は武術では流派によっては奥義の部類に入る要点だと思います。とっても大切な技術です。だからこそ何でもかんでもということにならないのだと思います。通常、攻守ともに千鳥足をすれば、、、二人が斜めに交差というかスライドすることになります。これって攻防とてなんか変というか特殊じゃないですか? いや場合によってはあるかとも思いますが普段の練習として。仮に攻者が千鳥に出れば、守者は(結果として)直進するような位置に動くのでは。「少林寺は千鳥」ではなく、相手を見て対処するようにしましょう。
体捌
主に転身や転換、受身での稽古がメインになると思います。まぁ特に指示しないことも多いと思いますが。
防技
後述。29種あります。
攻技 やっぱり一番幅かあるのはここですね。(拡張法2.5)で示したとおり、技自体がたくさんあるわけですが、さらにその練習の種類として以下のように分類できます。
 直突と直蹴、鈎突・振突と廻蹴など
直線曲線  直突と鈎突・振突、直蹴・横蹴と廻蹴など、読本を参考にいろいろと混ぜる、と。
上段中段 省略
単撃連撃
単撃段撃
三連攻くらいまではしましょう!!楽な組み合わせばかりではなく、難しいものにもチャレンジ。連撃は順番をひっくり返せばまたメニューも倍に。
一方多方 これは補助的な練習になります。通常は前方のみの稽古ですから、左右、後方に対する攻撃練習も行いましょう。鈎突・肘・蹴技などに後方に対するものがありますし、段撃・連撃を多方向にすることで練習メニューには組めると思います。


(拡張法3.5)複数の要素をセットでする。
 これらを組み合わせることでメニューはいくらでも増やせます。さてこれからが本チャンです。これらを組み合わせるわけです。

  1. 体構え
  2. 運歩法
  3. 体捌
  4. 防技
  5. 攻技
 基本的には「運歩から行えること」につなげます。さまざまな攻撃をさまざまな構えからおこなってください。これらはかつては広く行われていた稽古です(らしい)。詳しくは別項で。【関連・参考】 上半身グニャグニャ受け 基本から法形へ


 一つ一つをしっかりやることはもちろん大切です。しかしまた同時にたくさんのことを、多様な運動をすることも大切だと思います。一つ一つの技でみれば遠回りしているようでも、全体として伸びていくという実感が得られると思います。
 またたまには変わったことをというわけではありませんが、変化をつけた稽古は必要です。近年の少林寺拳法は軽んじる傾向にありますが、武道において「体を造る」ということはとても大切なことではないでしょうか。それには多様な体使いを染込ませねばなりません。だからに基礎・基本が重要なのです。


とりあえず、ネタに困ったら、

  • その場移動
  • 単独相対
  • 攻撃防御
  • 直線攻撃曲線攻撃
 このあたりに変化をつけてみましょう。はじめは首座自身も混乱しがちですが、慣れればもっといろんなことをしたくなります。もっといろんな基本をしたくなります。そうなったとき、少林寺拳法の技の幅広さがあらためて実感されるでしょう。その時は技術があなたに寄ってきます。


  このページ名は,「基本ネタの作り方」です.ご意見・
ご感想・ご要望をお寄せ下さい.
下の方法でお願いします.
●掲示板に投稿してみる.
●管理人「615期生」にメールする.
●2ちゃんに通報する.
おそらく上に行くほど返答が確実です.
 印刷して飲み会や練習のネタにする.
 

トップへ
戻る